2003年6月26日 Nothing to lose

公募に応募するのはうさぎの趣味です。
「公募」ってね、よく間違われるんだけれど、「懸賞」とは違うのよ。 懸賞は運で勝ち取るものだけれど、公募は実力で勝ち取るものなんです。 要するに、公募というのは、「コンテスト」のこと。
ウェブサイトを始めたここ2年ほどはすっかり遠のいてしまいましたが、 以前はよく、イラストやら作文やらはたまた間取り図などといった原稿を応募していました。

とはいっても、「勝算がないものには手を出さない」のがうさぎのやり方。
また、「賞金や賞品に魅力のないものは見送る」のもうさぎのやり方。

「当たって砕けろ」っていう言葉があるけれど、うさぎ、この言葉、好きじゃないの。 砕けてどうする?!って思う。 当たるからには、砕けないような当たり方をしたいと思う。
それに、頑張るからには、見返りが大きくないとねえ‥。
要はうさぎ、「期待値」が高くないと、やる気が起きないタイプなんです。

そんなわけで、今までに応募した公募はほとんどが住宅関連です。 うさぎはインテリアオタク、不動産オタクなだけに、 住宅関係に関しちゃあ、ちょいとばかり自信があったりなんかして。
それにね、住宅関連の公募は、比較的賞金が高額なんです。 売るものの金額がはるだけに、住宅関連の会社は太っ腹なんでしょうね。

それはそうと。
うさぎ、先日久しぶりに公募に応募することにしました。 JAL が主催する「旅のエッセイ」。
これ、賞品がなんと「世界中どこでも好きな都市までのJAL航空券2枚」なんです!
魅力的な賞品ですねえ、本当に魅力的! こんなのが手に入ったら、迷わず南米へ行きますね。 どこへ飛んでもタダなら、できるだけ遠くまで飛びたいものね。
求められているものが「旅のエッセイ」というのも気に入りました。 旅行サイトやってるんだもん、しょっちゅう旅のエッセイ書いてるもん。 「これは取れる!」って一瞬思いましたね。 それで挑戦することにしたの。

ところがねー。いざ書いてみたら、これが難しいんだわ。 5年前に行ったドイツのことを書いてみたんだけれど、てんでダメ。 前回の入選作品と比べると、もう話にならない。全然通りそうにない。 選んだエピソードは平凡だし、文章の魅力にも欠ける。 出来上がった原稿を送る気力を一気に減退してしまいました。

いままでの経験からいって、賞品に魅力のある公募は競争率も高く、レベルも高い。 「ダメモト」で出して通るほど甘い世界ではありません。 勝算があったって落選するんだもの、勝算がないようなものでは結果は見えたもの。 なので今回は見送ることにしました。

‥でも、ちょっと待てよ。
ダメならダメで、"落選経験"を増やすにはよくないか?
落選回数が多ければ多いほど、ガッカリする代わりに、度胸がついてくるような気も?
ハズレクジ10枚で何かもらえる‥とかいうクジってときどきありますよね。 あれみたいな感じで、10回落選すれば、ほんのちょっと精神的に強くなれるという 小さなオマケがついてくるかもしれない。

「80円の切手代で可能性が買えるんだから、とりあえず出してみたら?」 というきりんの助言もあって、やっぱり出すことにしました。 ‥まあね、きりんさん、あなたがご存知ないだけで、 その可能性は限りなく限りなく低いんですけど。
でも万が一、(ああ本当に万が一、っていう程度の可能性なのよ――) 当選したら嬉しいし、落選しても、 「ほら、やっぱりわたしの読みは正しかった」と思って喜ぶことにしましょう。
そうすればどっちに転んでも"Nothing to lose"(失うものは何もなし)!

うふふ、日記を書きはじめてから、ホントにうさぎ、強くなりました。 今回の件も、こうして日記に書くまで、 「ダメだ〜っ!」ってけっこう落ち込んでいたのだけれど、 こうして文章に書き、それを自分で読み、書いては読んで、を繰り返していくうちに、
「なーんだ、ただそれだけのことじゃない!」って思えてきた。
それどころか、「あ、日記のネタをトクした!」とまで思えたりもして^^;。
落選したら落選体験記もかけるし、 落選した原稿もアップしちゃえば、一石何鳥?‥なんてね。

落ち込みから解放されたら、 「ダメだと分かっていても、出すと決めたからにはもうちょっと手直ししよう」と、 また原稿を取り出して、じたばた悪あがきをしてみる気分になりました。 悪あがきをしたところで先は見えてるって分かってはいるのですけれどね。 でもせめて、今の自分のベストな状態まではもって行きたいじゃない?

「参加することに意味がある」っていう言葉はカッコよすぎてついていけない。
結果を出さなきゃ意味がない。
だけど何もその"結果"は、必ずしも目に見えるようなものでなくてもいいんだ、って こうして日記を書いててちょっと思いました。 "結果"って言って悪ければ、"成果"、"収穫"。 目に見えない小さな成果が集まって、 そのうち大きな結果となって帰ってくればいいな、って。 ――そう思って手直しを始めたの。

‥えっ? 「結局あくまで結果にこだわるんだな」ですって?

そ。あくまで結果にこだわるの。
だからホントは、タダで南米に行きたい。 行きたい、行きたい、行きたーーーい!

◆◆◆

あっ、でも、原稿相手に悪あがきしてみたら、ちょっとよくなりました。 "万が一"の入選確率が、"千が一"、いや、ひょっとすると"百が一"くらいになったかも〜?

なので確実を期して、速達で出すことにしました。
太っ腹?

だって"万が一"の可能性が、百倍に増えたんですもの、
80円の元手が350円になるくらい、‥ねえ?