 
	ハイアットのプールで一日遊び、レオパレスの部屋に帰りついたのはもう7時近かった。
	明日はもう日本に帰る。夕食を食べ、荷造りをし、と忙しく手を動かしながら、
	留守番のきりんに今日あったことを話した。
	「ねえねえ、パパ〜! チャアねえ、ウォータースライダーが滑れるようになったんだよ!」
	とチャアが嬉しそうに報告する。
	「あたしが滑り方を教えてあげたんだよ」とネネが得意そうに付け加える。
	「お昼にはそうめんをたべたの。ゴウカだったよね〜!」
	「海にはナマコがうじゃうじゃいたの。ゲ〜〜〜!」などなど。
	きりんはベッドに横になったまま、みんなのおみやげ話を聞いていた。
	楽しかった一日の話を聞いてくれる人が部屋で待ってるっていいなあ、とうさぎは思った。
	
	きりんの一日も、全く無意味ではなかったようで、少し加減の良くなった夕方には、
	部屋に置いてあったプロモーションビデオを見たり、テレビをつけてみたという。
	「テレビでね〜、何をやってたと思う?」と嬉しそう。
	「えー? なんだろ? "フルハウス"? それとも"アルフ"? 分かった、"奥様は魔女"だ!」
	「ブブー、ハズレ! "ポケモン"をやってたんだよ!」へえー、ポケモンって日本のアニメなのにね。
	あ、でもそうか、島内観光ガイドのジョセフさんが腰にポケットピカチュウつけてたものね。
	グアムでもポケモンは人気なのね。
	「サトシは"アッシュ"とかって名前に変わってて、ポケモンもいろんな名前になってたけど、
	ピカチュウだけは名前も喋り方(?)も日本と同じだったよ」ときりん。きりんにも話のタネができてよかったね。