 
	昼食は"キリマンジャロレストラン"で。 それはプールに浮かぶように張り出した多角形のレストランで、 プール遊びの楽しさを引きずったまま食事ができるのが嬉しい。濡れた水着のままでも入れるのも便利だ。
二種類のサンドイッチ、ピザやラザニア、フレッシュジュースに加えて注文したのは「ハロハロ」。 これはフィリピンのカキ氷もしくはみつ豆のようなデザートで、フィリピンに来たらぜひ食べたいと、 わが家の甘党コンビ・きりんとネネが意気込んできたものである。 メニューには載っていなかったけれど、ウェイトレスさんに尋ねたら快く作ってくれた。
	食事の後、現物より先に4本のスプーンが配られ、しばらくして大きな透明の器に入ったハロハロがやってきた。
	器からはみ出るような形でこんもりとむらさき色のウベアイスが乗り、その上にコーンフレークがかかっている。
	透明のガラス部分からはなにやら赤や緑色が透けてみえる。そのパフェのような華やかな外観に、みんなは大喜び!
	「このミルクをかけるんだな」とネネが早速ミルクピッチャーに手をかける。それを押し留めるきりんとうさぎ。
	「待った! カメラとビデオが先!」
	
	写真撮影を無事終えて、ネネが待ってましたとばかりにミルクを回しかける。
	ハロハロには練乳をかけると読んできたけれど、これはどうやら普通の牛乳みたい。
	もともと容器から溢れんばかりのハロハロに、ミルクを注いで大丈夫なのか?と思ったけれど、なんとか溢れずにすんだ。
	そしていよいよスプーンですくってみると――、カキ氷と一緒に、なんだこりゃ?っていうようなものがいっぱい出てきた。
	うぐいす豆のような白いマメ、それと同じ形・大きさの赤や緑のマメは、口に入れてみると、甘いゼリー。
	これぞホントのジェリービーン? 小さなあずきのマメも入っている。それに甘いきしめんのかけら(?)。
	ところどころがほんのりピンクだったりきいろっぽかったりするのは、きっとゼリーの色が移ったせい。
	マンゴーだかなんだか、果物の薄いかけらも混じっている。
	"ハロハロ"というのはフィリピン語でごちゃ混ぜの意味だそうだが、ほんとにごちゃまぜ。
	マメ好きのうさぎはおいしくいただいたけれど、ネネときりんはアイス専門、
	チャアに到ってはアイスもろくに食べなかった。
	たぶん「なんか妙なモノをうっかり口にしてしまっては」という警戒心が芽生えて食べる気が失せてしまったんだと思う。
	一つ一つ見れば、そうそう妙なものはなく、ゼリーなんか、とてもおいしいと思うんですけどねえ‥。
	
	それでもハロハロを食べたというノルマを果たし、とりあえず満足。けれどそのあとで請求書を見てビックリ! 
	品数をたくさん頼んだからしょうがないのだけれど、サービス料込みでしめて1342ペソ(約4000円)!
	「昼食に4000円!」と、笑いしかでないうさぎ。
	「あれが4000円なら、なんだか朝食ビュッフェが一人2000円っていうのも高くない気がしてきた」ときりん。
	「おっと、こういう金額に慣れちゃダメだってば!」とうさぎは言ったが、あとの祭り。
	このとき既にきりんの脳裏には、〔明日からの朝食はビュッフェにしよう〕という画策が渦巻いていたのであった‥。