【 ボディチェック 】
	
	飛行機に乗るときには、必ず通るボディチェック。
	ここが一つの関門だ。
	最初に成田のボディチェックマシンをくぐった時、ビーっと鳴った。
	びっくりしたと同時に、何か悪い事をした様な気分だ。
	原因はお財布。小銭が反応したらしい。
	早速ポケットからお財布を取り出し、もう一度チェックマシンをくぐった。
	すると、またしてもビーっと鳴った。
	今度は何。
	ちょっとうろたえて考えていると、係員が手招きしている。
	それに従うと、手に持った機械で、全身を丹念に調べられた。
	これには特に引っかからず無罪放免となった。
	しかし、なんだか犯罪者の気分。
	何も悪い事をしていないのに、なぜこんな仕打ちを受けなければならないのか腑に落ちない。
	
	
	帰りのボディチェックの際には、成田で懲りたので、
	事前にサイフをポケットからだしてチェックを受けたので、
	何ごともなく通り過ぎる事ができた。
	そう、これが当たり前。行きの事を考えるとちょっと気分が良い。
	
	
	次から飛行機に乗る際のボディチェックの時には、お財布を出す事を忘れなかった。
	もうあのビーって音は聞きたくない。
	しかし、又鳴ってしまった。
	チェックに引っかかると係員が手に持った機械で再点検する。
	はて、一体何が原因なのだろうか?
	
	
	何度かの旅行で同じ事を繰り返すうちに、
	ベルトの金属でできたバックルが反応している事がわかった。
	ベルトを外してチェックをくぐると、無事通過できた。ほっと一安心。
	この頃には、ビーって音にも慣れてきたが、
	それでもあの音を聞かなくて良いとなると嬉しい。
	
	
	ベルトが反応している事はわかったが、持っているベルトはこのタイプがほとんどで、
	このベルトはとても使いやすい。
	旅行には最適だ。
	そこで、チェックを通過する前にベルトを外す事にした。
	
	
	それ以来、ボディチェックに引っかかる事がなくなった。もう安心。
	ここまでくるのに何年かかったことだろう。ちょっと感慨深いものがある。
	
	
	しかし、今回の旅行で、久しぶりにビーって音を聞いてしまった。
	娘が引っかかったのだ。
	今まで、自分以外だれも引っかかった事がなかったので、気にも留めていなかった。
	よく見ると、娘の腰には金属でできた大きなバックルのベルトがあった。
	そうだ、使い心地が良いというので、ベルトを貸してあげたんだっけ。
	
	
	2001年12月1日 きりん