2003年5月14日 ピロリ菌を追え!!(その5)

5月8日に受けた検査の結果を聞きにいってまいりました。
待合室の椅子で順番を待っていると、診察室のドアの脇に、ピロリ菌に関するポスターが。

胃の不安と一生つきあいますか
それともピロリ菌と共に消し去りますか

壁に張りついてそれを眺めていると、やにわに診察室の扉が開き、 「うさぎさ〜ん」とハンサムな主治医さまが顔を出しました。 相互顔面距離約40センチ。至近距離で目と目が合ってしまった‥。

「ピロリ菌の検査結果はいかがでしたでしょうか」 診察室に招き入れられると、椅子に腰掛けるのももどかしく、早速うさぎは問いました。

「まあまずはお座りください。荷物はそちらへ」と主治医さま。 「‥ピロリ菌、発見されましたよ」

「まあ! そうですか! ありがとうございます!」とうさぎ。
「ブッ‥」とうさぎの顔を見て噴きだすドクター・ハンサム。 「そ‥そんなに嬉しそうな顔をするようなことでは‥」

「それでは、ピロリ菌の除菌をはじめることにしましょうか」 引き出しの中からドクター・ハンサムはパンフレットを取り出し、説明を始めました。
「ピロリ菌を除菌このグラフを見てください。 十二指腸潰瘍の患者さんの9割がピロリ菌に感染しています。 で、ピロリ菌を除菌できた場合、一年後の十二指腸潰瘍再発率は、8.8%になります。 除菌できなかった場合の67.1%に比べてかなり低い数字に押さえられています。 でも、0%ではないことをご承知置きください」

「わかりました。その8.8%というのは、 ピロリ菌以外の原因で潰瘍が再発する場合と考えればよろしいのでしょうか」とうさぎ。
「そうですね、そういうことです」

「ただですね、この8.8%とは別に、 "除菌しても、除菌が成功しない場合"がまた考えられます。 除菌療法の成功率は100%ではないのです。
これから一週間、それ用の薬を飲み続けていただくことになりますが、 一週間薬をちゃんと飲み続けても、除菌が成功しない場合もあります。 薬を一度でも飲み忘れれば、更にその成功率は低くなります。 ですから一度飲み始めたら、一度たりとも忘れずに一週間、飲みつづけてください」

「ピロリ菌の検査は3ヶ月後に行います。 ピロリ菌の再検査というのは、除菌療法が終わってそのくらい経ってから行うものなのです。
それからねえ、うさぎさん、一週間ピロリ菌除菌の薬を飲み終わったら、 先日処方した胃酸分泌抑制薬を飲んでください」
「それは、ピロリ菌の除去と関係があるのでしょうか」とうさぎ。
「ないです」ときっぱりのたまうドクター・ハンサム。 「でもうさぎさんは十二指腸潰瘍なんだから、飲んでください」
おおっ、なんて強引な論理! でも、明快であることについては褒めてつかわそう。 なので今回は承諾することにしました。 ホントはいらないんだけどね。

「分かりました」という言葉がうさぎの口から出るが早いか、 主治医さまはすばやく処方箋になにやら書き込みました。
うさぎの気が変わらないうちに胃酸分泌抑制薬の名を書き足したか‥と思いきや、 ドクター・ハンサムが書き入れたのは"ランサップ"という名。 これこそがピロリ菌除菌薬の名です。 見れば、例の胃酸分泌抑制薬パリエットと、 防御因子増強薬ゲファニールの文字の方はすでに処方箋に印字済み。 どうやら主治医さまはどうでもこのセットをうさぎに飲ませたいようです。
「せっかくですから一月分処方しておきましょう!」といいながら、 パリエットとゲファニールの処方量を14日分から21日分に書き直し、訂正印を押す ドクター・ハンサム。 そんなお気遣いはご無用なんだけどなあ‥。

まあ何ごとも引き際が肝心、過ぎたるは及ばざるがごとし。 100%を目指してよかった試しはない。
通院5回目にしてついに念願のピロリ菌除菌薬を手にいれたのだから、 相も変わらず処方箋のデフォールトが厚労省の非推奨薬になっているという 不条理には目をつぶり、 今日のところはおとなしく他の薬もいただいてまいりやしょう。 余計な薬を飲んだらせっかくのピロリ菌除菌療法の単独効果が分からなくなるから、 どうせ飲まないんだけど。

「ではまた一月後」とおっしゃる主治医さまにいとまを告げ、病院を去るうさぎ。 帰りに調剤薬局に寄り、3種類の薬もちゃんといただいて帰りました。 調剤薬局でピロリ菌除菌薬 ランサップを見せられたときには感無量でしたね。 せっかくだから皆さんにもお見せしちゃおうっと。

ランサップ400
一日分(朝・夕)
4つのカプセルと1つの錠剤を一回分として、
朝、黄色側のお薬を服用ください(一回分)
夕、緑色側のお薬を服用ください(一回分)

病院で処方されるお薬にしては、やけに使い勝手よさげなフォーム。 朝飲む分と夜飲む分、それぞれ3種類の薬がセットになっていて、 誤飲防止の配慮が見られます。
副作用も、たまにお腹がゆるくなる人がいる程度だそう(ドクター・ハンサム談)。
これを一週間飲み続ければ、約90%の確率でピロリ菌を殲滅させることができ、 ピロリ菌が殲滅できたあかつきには、 約91.2%の確率で少なくとも一年間、十二指腸潰瘍とは縁が切れる。
これじゃ期待するなっていう方がムリよねっ!

でもさあ、家に帰り、夕食の下ごしらえをしながらつらつらと考えちゃった。
ピロリ菌の検査が3ヶ月後ってことは、一月に一度としても、 あと3回は最低病院に足を運ばなければならないわけよね。 で、診察を受ければ必ずあのハンサムな主治医さまはまた、パリエットとゲファニール を処方してくださるに違いない。

下味をつけたイカとネギを冷蔵庫にしまいこむと、うさぎはさっき薬局でもらった調剤録を 取り出しました。これ、普通はもらえないの。 「薬ごとの金額の内訳を知りたい」って言ったら、出してくれたものなんです。

さて、調剤録によれば、今日処方された3種のお薬の内訳は以下のとおりでした。

薬名 作用 保険合計額 負担額(3割) 備考
パリエット 胃酸分泌抑制薬 5,950円 1,785円 3週間分
ゲファニール 防御因子増強薬 1,750円 525円 3週間分
小計 7,700円 2,310円 3週間分
ランサップ ピロリ菌除菌薬 6,335円 1,995円 1週間分
基本料・指導料・? 1,195円 265円  
合計 15,230円 4,570円  

これを見て、う〜ん、と唸ってしまいましたね。 ランサップは確かに高い。 でも、うさぎはこれが欲しかったんだから、これについては納得の出費です。
で、パリエットとゲファニールは、不本意ではあるけれど、まあ一度くらい ドクター・ハンサムにお付き合いいたしましょう。

‥でも。来月再来月、またこのセットを買わされるのはちょっとイヤかも〜?
8週間分っていったら、自己負担分だけでも6,160円! ちょっと付き合えないよなあ。

台所に戻り、漬物を刻んで冷蔵庫にしまうと、うさぎはパソコンを立ち上げました。
「ピロリ菌の再検査というのは、除菌療法が終わってそのくらい(3ヶ月くらい) 経ってから行うものなのです」 というドクター・ハンサムのお言葉がミョ〜にひっかかる。
パソコンが立ち上がると、早速googleの検索窓に「ピロリ菌除菌 検査」と打ち込むうさぎ。
すると、出てきました、出てきました、うさぎの知りたいことが。

すべての治療が終了した後、4週間以上経過してから、 ピロリ菌が除菌できたかどうか、もう一度検査する必要があります。

念のため、他のサイトも調べてみましたが、 "4週間以上経過してから"という点については同じ。
な〜んだ、3ヶ月なんてオーバーな! 4週間でいいんじゃない!

では5週間経ったあたりで受診し、この辺をドクター・ハンサムにプッシュしてみよう。
どう切り返してくるか、これは見ものだわ♪

‥というわけで、明日からランサップを一週間、飲もうと思います。
うさぎが一度でも忘れないように、みなさん、掲示板で 「今日はもうランサップ飲んだ?」と問い掛けてくださると助かります。

つづく