8月末にDuolingoで英語話者のためのナバホ語コースをコンプリートしました✨


ナバホ語を学んだ理由
なぜ今ナバホ語なのかというと、近々カナダのイエローナイフに行くからです。
イエローナイフはノースウェスト準州の首都。カナダですから、もちろん英語が通じるわけですが、ニュージーランドへ行く前にマオリ語を学んだように、カナダに行く前に原住民の言語もちょっと学んでみようと思い、一体イエローナイフでは英語のほかにどんな言語が話されているのかと調べたところ、なんと準州の公用語だけでも11言語もあると知りました。
せっかく学ぶのなら、なるべく使える可能性の高いメジャー言語を選ぼうと思い、話者の数を調べたところ、英語とフランス語を除く9言語のうち、数万人規模の話者がいる言語はイヌクティトゥット語(3万人)とチペワイアン語(別称デネ語:話者数1万1900人)の二つだけと分かりました。他はほとんど話者数・数百人という少なさ。
で、最初はイヌイットが話すというイヌクティトゥット語をやろうと考えたのですが、教材が見つからないので断念、ならばチペワイアン語は、と思ったらやっぱり見つかりませんでしたが、同じアサバスカ諸語(デネ諸語)に属するナバホ語(話者数14万9000人)のコースがDuolingoにあると知り、何もやらないよりはマシと思い、始めたというわけです。ナバホ語はカナダ北部ではなく、アメリカ南部の先住民が話す言語なんですけどね。
あの広大なアメリカ大陸の遠く離れたカナダの北部とアメリカの南部で同じ系統の言語が話されている不思議。壮大なロマンを感じます。
Duolingoナバホ語コースについて
ボリューム
ナバホ語コースは2025年9月現在、とても短いです。まだ1セクション11ユニットしかありません。
1ユニットあたり、ノートを作りながらやっても1時間強。つまり10数時間あればコースをクリアすることができます。ちょうどコースの最初の宝箱に3日間のスーパー・フリートライアル(有料コースの無料お試し)が入っていたので、これが切れないうちに一気に三日で終えました。
難易度
ナバホ語ははっきり言って、わけがわかりません。というか、まだコースがこなれていない、練れていない感じ。なので、言語自体の難易度が高いかどうかはさておき、Duolingoのナバホ語コースは現時点ではとても難しいと感じました。
まずごく一部の文にしか音声がついていないので、耳で覚えることができない。
文字は一応ラテンアルファベットではあるのですが、アクセント記号やらアポストロフィが頻繁について、何がなんだかよく分かりません。
たとえば「こんにちは」は Yáʼátʼééh。ごちゃごちゃしていて、どれがアクセント記号でアポストロフィなのか、ちょっと見ただけでは判別つきません。
アクセント記号は基本、つけなくても正解となりますが、アポストロフィを二か所以上抜くと正解と見做されないので、アポストロフィの位置はしっかり把握しなくてはなりません。上の単語ですと、Yáʼátʼééh、最初のAとTについているのがアポストロフィで、他はアクセントです。
見慣れない特殊文字もあります。母音の「 į 」や、子音の「 ł 」です。「 į 」は「 i 」の下に飾りをつけたもの、「 ł 」は「 l 」に斜めの横棒を付けたものです。
以下の文は「今日は雨が降っています」という意味です。Diijį が「今日」、nahałtin が「雨」という意味だそうです。nahałtinは一見、Tが二つ続いているように見えますが、よーく見ると、最初のTの横棒が少し傾いています。実はこの文字はTではなくて、Lの亜種なのです。

このアクセント記号だらけの見慣れない文字を、スマホの小さな画面で見分けるのはものすごく大変です。Duolingoは文字の大きさを変えられないので、スクショを撮り、そのスクショを拡大して文字を判別していました。手間がかかる~!
読むだけならまだしも、ご存じの通り、Duolingoは書かされます。これが一大事。特に特殊文字。「 į 」「 ł 」のほかにも特殊文字は「 ą」「 ǫ 」などがあり、iPhoneでは「 ł 」「 ą」「 į 」はそれぞれキーボードのL、A、I を長押しすると出せますが、「 ǫ 」は出せません。
じゃあどうしたかというと、メモアプリにネットで調べたナバホ語の綴りをコピペしておき、それを都度Duolingoにコピペして切り抜けました。
中でも難易度が高かったのは Hózhǫ́(美)という単語です。この単語はナバホ語でとても重要な単語らしく、「 ǫ 」を「 O 」で代用したり、アクセントを省略したりすると正解と見做されないのでとても大変でした。
ノート
このコースを終わらせるのに、ノート作りは必須だったと考えています。ノートにメモったスペルを一生懸命タイプして、なんとか最後までコースをやり遂げました。
現時点では「こんにちは」や「ありがとう」も満足に言えません。文の成り立ちもよく分からず、ノートにはハテナマークがいっぱいついたまま。コースをやり切った達成感はあるものの、何かが身に着いたという実感はありません。でも「学んだ証拠」としてノートが残るのは、悪くない気分です。


まとめ
わたしが行くのはカナダのイエローナイフで、そこで話されているチペワイアン語がナバホ語とどれくらい似ているかは全く未知数です。
もし仮に酷似していたとしても、チペワイアン語話者と出会える確率は非常に低いでしょう。しかも英語通じるし。
つまり、ナバホ語を学んだことが旅行中に生かせる可能性はほぼゼロに等しい。でも、万が一チペワイアン語話者と話す機会があり、チペワイアン語とナバホ語が酷似した言語だった可能性を考え、一応ナバホ語で「こんにちは」と「ありがとう」くらいは言えるようにしておこうと思います。
しかしこんな、何かの足しになるかどうかも分からない言語を学ぶのだから、やっぱりわたしは目的のために言語を学ぶのではなく、言語を学ぶこと自体が好きなんだなーと再認識しました。
