今年の7月にモンゴルへ行く前、二か月ほどモンゴル語を学びました。初心者から見たモンゴル語の感想を書きます。
発音
発音は他の言語と比べても、難しいと思いました。けっこう頑張ってシャドーイングとかもしたんだけど、ほんと通じない😿
まず、スペルと発音がけっこう乖離しているのが問題。わたしはなまじ文字が読めるものだから、スペル的に「こう読むはず」と思ってしまい、耳から聞いたままに発音できない。特に Л は、英語の L にあたる音のはずなのですが、どうしてもそうは聞こえなくて、耳を信じればいいのか、スペルを信じるべきなのか分からなくて苦労しました。
もしかしたら、若い人とか、耳がいい人、耳からのインプットが得意な人にはそうでもないのかも?? わたしは耳からのインプットが苦手なので、モンゴル語の発音はけっこう困難です。
文法
文法は日本語に似ていて割とラクな感じがしました。
語順は日本語と基本同じだし、冠詞がない、単数と複数を区別しないところも同じですが、他にも妙なところが似ている。
例えばモンゴル語にも「~してみる(~ж үзэх)」という表現があります。わたしはこれが好き。
日本語にも動詞変化があって、規則的とは限らないじゃないですか。五段活用とか下一段活用とか。「行く」だったら「行かない、行きたい、行くとき、行けば、行こう」といった動詞変化があって、その活用をあらゆる動詞について覚えなくてはならない。でも動詞は全て「~してみる」という形で使うことにすれば、「みる」の活用だけ覚え、最初の動詞は連用形だけ覚えれば済みます。「行く」なら「行って」だけ覚えれば、「行ってみない、行ってみたい、行ってみるとき、行ってみれば、行ってみよう」と言えるわけです。
それと同じことがモンゴル語にも言えるのです。各動詞について動詞変化をたくさん覚えるのは大変。でも~жの形だけひとまず覚え、あとは үзэх(みる)の活用を覚えてくっつけて言えば、簡単に色々なことがいえます。
- идэж үзэх(食べてみる)
- идэж үзсэн(食べてみた)
- идэж үзмээр(食べてみたい)
- явж үзэх(行ってみる)
- явж үзсэн(行ってみた)
- явж үзмээр(行ってみたい)
・・・のように。
しかもこの動詞は日本語同様「見る」という意味でも使えるから、二度おいしい^^
語彙
たぶんモンゴル語は、少ない語彙でもけっこう話せるんじゃないかな、と思いました。
その理由は、
- 一つ一つの語彙の意味の幅が広い
- 一つの語彙に派生語がたくさんある
たとえば суух という動詞があるのですが、これ一つ知っていれば「座る」「(乗り物に)乗る」「住む」「滞在する」という意味で使える。
унах という動詞は「(動物に)乗る」「落ちる」「転ぶ」という意味に使える。馬に乗るのも馬から落ちるのも同じ動詞って一体どういうこっちゃ、と思いますが・・・。
造語法も分かりやすく、名詞に тай をつければ「~がある」、гүй をつければ「~がない」という意味になります。
-тай | -гүй | |
амт(味) | амттай(味がある→美味しい) | амтгүй(味気ない→不味い) |
дур(望み) | дуртай(希望する→好き) | дургүй(希望しない→嫌い) |
зав(暇) | завтай(暇がある) | завгүй(暇がない→忙しい) |
表現
モンゴル語ならではの表現があるのも素敵です。たとえば「トイレに行く」という表現がたくさんあるのですが、それぞれ味があります。
бие засах(身体を整備しにいく=トイレに行く)。トイレは бие засах газар(身体整備工場)。なるほど~!
морь харах(馬の様子を見に行く=トイレに行く)。日本語で言えば「ちょっと用を足してくる」って感じですかねえ。馬ってところがモンゴルっぽくて素敵。
他に直接的な表現もあるのかもしれませんが、わたしはこの奥ゆかしい二つを覚えました。
まとめ
発音は難しいけれど、わたしはモンゴル語が好きだと思います。今までやった他の言語と比べても、かなり好きなほうではないかと。造語法がはっきりしていて、独自の文化の香りがしっかりついている感じが良い。
モンゴルから帰ってきてからこっち、完全に放置していますが、またそのうち再開し、もう少し先を見てみたいです。
