ソマリ語

ソマリ語 ことの始まり

 7月はもしかしたらすごく忙しくなるかもしれないので、今のうちにソマリ語を始めたきっかけについて書いておきます。

 ソマリ語にハマったのは、「謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」という本を読んだのがきっかけです。スリランカのガイドブックを探しに行った図書館で見つけ、ふと手にとって読み始めたらこれがもう面白くて辞められなくなってしまった。

謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア
謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア

 見よ、この厚さ・・・! タイトルも長いが、内容も長い・・・!

 500ページ以上。軽薄短小の好きなわたしをしてこんな分厚い本を読ませるとは、ソマリア恐るべし!

 実は続編もあって、今読み始めたところ。500ページの上にさらに続編まで読ませるとは・・・! げにソマリア恐るべし。

 とにかく面白かったです。ソマリアは20年も内戦が続いている国なので、悲惨な現状のルポタージュ本ではと思いきや、全くそうではなかった。

 なにが面白いって、自分の先入観が次々とくつがえされていくこと。たとえば、

  • アラブ連盟加盟国だから、アラブ人の国だろう →  大多数はソマリ人
  • アフリカだからのんびりしているのだろう →  ソマリ人は仕事が速い
  • イスラム教国だから女性は目立たないのでは →  女性はけっこう強い
  • 内乱で国中が荒廃しているはず →  北部ソマリランドはいたって平和
  • 南部が荒れているのは人々が好戦的だからでは →  平和な北部の人々のほうが好戦的
  • 部族間の争いが内乱の原因だろう →  きっかけはソマリ人同士の派閥争い
  • 難民はかわいそう →  戦闘から逃れられてホッとしている
  • 海賊たちはお宝を独り占め →  海賊の上がりで社会全体が潤う

 「えっ、そうなの?!」の連続。乏しい知識を総動員して推測したことがいちいち裏切られ、新しく知った事実を合算して推測したこともいちいち外れていく。ステレオタイプのアフリカとは違う、アラブとも違う、一体これなんなの?的な不思議世界ソマリ社会が垣間見られる本でした。

 いやこの人たち、面白すぎでしょ! ・・・というわけで、彼らの言語、ソマリ語に興味を持ちました。

 「ソマリ語に興味」といっても、「ソマリ語で喋ってみたい♥」とかではないです。

 そもそも喋りたくてもそんなチャンスないし。外務省の渡航マップは全土に渡り真っ赤っ赤。現実問題なかなか行かれそうにない。

 DMMにもソマリアやソマリランド出身の講師はいない。ディアスポラ二世に期待し、somali、ソマリなどキーワード検索で探してもみたけど、何もひっかかってきませんでした。

 だから会話はアウトオブ眼中。でも「知りたい」。どんな語彙を使い、どんな文法で文を組み立てるのか。

 文法や造語法には思考回路が表れる。だからソマリ語の文や単語にたくさん触れたい。

 特にアラビア語との違いが知りたい。

 ウィキペディアによれば、ソマリ語はアフロ・アジア語族のクシ諸語の東クシ諸語の一言語。つまりアラビア語の遠い親戚筋にあたるようです。

 ということは、おそらく二重の意味で、アラビア語に似ているはず。

  1. アラビア語と同じ祖語を持つので、根本的な発想が似ているはず
  2. アラビア語を公用語とするイスラム教国なので、アラビア語からの借用語が多いはず

 実際はどうなのかが体感的に知りたい。

 「興味がある」のは同じでも、シンハラ語への興味と、ソマリ語への興味とでは性格が違う。

 シンハラ語はカタコトでいいから喋ってみたい

 知識としてでなく、技能として使えるようになりたい。二ヵ月後のスリランカ旅行までに、「これは覚える」と決めた厳選フレーズ・単語を空で言えるようにきっちり覚えたい。

 一方ソマリ語は言葉のしくみが知りたい

 ソマリ語は知識として知りたい。技能として使える必要はなし。従って覚える必要もなし。できるだけ多くの文例に触れ、どんな言語か、感触が知りたい

 なんとなくぼんやり「○○語ができるようになりたい」と思うと、語学は果てしない。

 でもこうやって自分の欲求を絞り込むと、やることも限られてくる。

 おお、もしやこれが、「目標を絞り込む」ってヤツかも~?!

 そおかあ、わたしも外国語学習14年目にしてやっと目標の立て方を体得したかも!

 だがしかし。それでもソマリ語への道は険しい。

 日本におけるソマリ語のマイナー度は、シンハラ語の比ではなかった。

 ニューエクスプレスなんて出てない。頼みのNemoにもソマリ語はない。

 それでも一冊見つけました。実用ソマリア語入門。単語集だけでなく、文法説明もちゃんとあります。日常会話の文例も載っています。

 世界的に見ればそうマイナーでもないようで、ソマリ語の辞書アプリは10個くらい見つけました。

 いくつかダウンロードしてみました。でもどれも一長一短。いまいち使いづらい。

 そんな中、良いアプリを見つけました。uTalkです。

 このアプリはすごいです。なんと網羅言語、140言語!!

 そして一つの言語につき、65単元もある。1単元につき20くらいの単語や文例がある^^ しかも全部、女性の声と男性の声で読み上げてくれる^^。音はクリアーで抑揚もあり、聞きやすい。

 大喜びで、これをメインに使うことにしました。

 だがしかーし。

 ここからわたしのソマリ語学習は、大きく道を外れていくことになるのであります・・・。

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