日本語

無勉で日本語教育能力検定試験問題を解いてみた

 なんかものすごくアオリっぽいタイトルですが、まさしくタイトル通り、無勉(試験対策しない)で 日本語教育能力検定試験の過去問をやってみました。

 日本語教育能力検定試験というのは、日本語教師(日本語を母語としない人に日本語を教える仕事)をめざす人のための資格試験です。試験は毎年一回秋に行われます。

 やってみた過去問は平成17年度(ⅠとⅢ)と平成26年度(Ⅱ)です。なぜ部分によって年度がちぐはぐかというと、ⅠとⅢを終えたところで、さーⅡのリスニングをやろー!と思ったら、平成17年度の音声ファイルがどこを探しても見つからなかったからです。ひょっとして年末にパソコンが壊れて初期化した際、失ったのかも・・・(T_T);  そこで仕方なく、スマホに取り込み済の平成26年度をやったのです。

 そんなわけで、過去問の年度もちぐはぐだし、やった順序も違うし、なんなら時間も計りませんでしたので、公式記録(?)にはなりえませんが、多少は難易度やらなにやらの参考になると思うので(自分にも他の方にも)、やってみた感触を記しておきます。

点数

 まずは取れた点数から書きます。

 Ⅰ 76 / 100
 Ⅱ 25 / 40
 Ⅲ 55 / 80 + ?? / 20
合計 156 / 220 + ?? / 20

でーした! 無勉で7割越えって、けっこう良くないですかー?!

 Ⅲには記述問題が20点分あり、ここはどう採点されるのか分からないので、とりあえず点数から省いてあります。

 調べたところ、この試験の合格点は公表されていないものの、予備校などのリサーチ結果によると、例年7割取れれば合格は固いそうです。

 わーい!! 無勉でこれは嬉しい((┗(^o^ )┓三┗(^o^)┛三┏( ^o^)┛))

 だってさあ、次の試験まであと半年くらいあるのよ?! 無勉で合格ラインにのるなら、ちょっと対策したら、ガチで行けそうじゃないですかー!

 いやもうこれは受けるっきゃない!!

 まだ次回の試験の日取りも分からない状態なので気が早いけど、今年は日本語教育能力検定試験を受けますと、ここで宣言してしまいます\(^o^)/

感触

 過去問をやって気づいたことを書きます。

問題の難易度

 点数にも表れている通り、Ⅱ→Ⅲ→Ⅰの順に難しかったです。Ⅱはリスニング。つまり一番難しいのはリスニングでした。いくらリスニングが苦手でも、日本語ならできるだろうと思いきや、いやいやいやいや甘かった。これが難問ばっかり。なにしろ答えの選択肢が難しくて意味が分からない┐(´∀`)┌

 プロミネンスって何? ダイクシスって??

 あとからググったところ、

 プロミネンス(卓立)とは - 文中の語句を強く発音するなどして際立たせること。

 ダイクシス(直示)とは - 「これ」や「あそこ」のように、意味が文脈に依存して初めて決まる語や表現のこと。

だそうです^^。

 他には、外国人日本語学習者のうまく発音できていない発音を聞き取って、口の中がどうなっているか、正しい図を選ぶ問題なんかもありました。しかも時間がめっちゃタイト。こんな問題でよく6割以上も取れたと、我ながらビックリですわ。

 ⅠとⅢでも知らない用語はたくさんありました。特に言語学史に関する問題はお手上げ。「誰の説か」と聞かれましても、4択全部知らない名前だから^^;

 大学入試の国語の問題か!と思えるような、読解力が必要な問題もありました。

 とはいえ、全体としては語学検定ほど難しくないと感じたのも事実です。今までの人生のどこかで出会った雑学的知識とをつなぎ合わせると、確信をもって答えられる問題もけっこうありました。もしこれが語学検定だったら、全くやったことのない言語なのに確信をもって答えられる問題があるなんて、一番下の級であってもほぼありえませんよねえ。そこは「言うても日本語」だと思いました。

問題数が多い

 この試験、とにかく問題数が多いです。240点のうち220点は1点問題で、つまり220問+記述の221問!!

 問題が多い試験は時間がかかって大変な反面(試験時間合計4時間15分!!)、できない問題があっても他の問題で救えるので、わたしはけっこう好きです。問題数が多い試験は、受験年度による当たりはずれ、難易度のバラつきも少ないですしね。「まぐれ」や「番狂わせ」が起きにくく、やればやっただけ合格に近づく。だから頑張ろうという気持ちになりやすい。

 それに問題が多いとお得感も。実は受験料が10800円と高いんですが、問題数で割ると1問あたり48.87円。つまり50円弱。そう考えると、まあまあリーズナブルじゃないですか?

時間が足りない

 今回は時間を計らずにやりましたが、おそらくIは時間が超過していたと思います。一問一問うんうん考えてたんじゃ時間内に終わらない。なにしろIは90分で100問ですから。一問あたり1分もかけられないわけです。

 IIはリスニングですから時間配分を考える必要はありませんが、次から次へと流れる問題について行くのはかなーり大変でした。

 ⅢはIほどきつくはないが、記述に時間をかけすぎないことがポイントでありましょう。

 I、II、Ⅲのいずれも時間を気にしなくて済むような試験ではないのは確かです。

考えさせる問題が多い

 単純に知識を問う問題より、考えさせる問題が多いと感じました。文法でも、用語を知っているだけではダメ。応用できないと正答には至らない。わたしはこういう問題のほうが好きなので、面白いと感じました。

 別の意味で考えさせられたのは、この試験が育てたい日本語教師像が、問題から透けてみえたこと。その日本語教師というのは、日本語や日本文化の知識を生徒に正確に教えこむ人物というより、もっと温かい感じ。学習者のバックグラウンドを尊重するしつつ、学習の手助けをしようとする心構えのほうが、むしろ正確な知識よりも大事なんじゃないか。そういう、教える側の姿勢や考え方、あるいは哲学を育むような文章や設問も多く、わたしには大変好ましく感じられました。

外国語学習との関連性

 あと意外と多かったのが、言語学に関する問題。それほど多くないものの、外国語に関する知識を問う問題もあり、いままで多言語学習において積み重ねてきた知識が生かせました。たとえば「オランダ語に由来する語彙をガラス、ノルマ、ズボン、カステラの4つから一つ選べ」とか、英語や中国語の特徴を問うような問題とか。

 こういう問題が多いからこそ、無勉でもそこそこ行けたのだと思います。これまでに培った外国語の知識が地味に生かせた。たぶん外国語学習者である時点ですでに0からの出発ではないんだと思います。

 また逆に、これを機会に言語学の知識や考え方を学べば、たとえ日本語教師にならなくても自分自身の外国語学習に生かせそうです。

今後の戦略

 今後は、いつもの検定試験と同じく、とにかく過去問を解きまくろうと思います。幸い9年分の過去問を手に入れてあるので(しかしⅡの音声を5年分失ったのはきつい・・・😿)、惜しまずガシガシ解きまくろうと思います。

 そして、過去問に出てきた用語が分からなければ調べ、間違えた問題をしっかりおさらいしようと思います。

 実は数年前、友達に「一緒に受けない?」と誘われ、とりあえず図書館から参考書を借りてきたのですが、パラパラめくっただけで挫折しました。だって分厚い本に文字がぎっしり詰まってて、知らない用語もいっぱいで難しそうだったからです。とても読む気がしなかった。ただ「日本語教育って難しそう~~~、つまらなそう~~~」という印象をつけただけで終わりました。

 でも今から思うと、内容がつまらないのではなく、方法がわたしには向いていなかったのだと思います。参考書を頭から読むという学習方法はせっかちなわたしには向かない。とにかく問題をやってみて、できなかったところだけピンポイントで調べて理解するほうがわたし向き。

 解答スピードもたくさん解けば自然に身についてくると思うし、とにかく問題をやりまくる。

 高得点は目指さず、できる問題を落とさずに確実に受かることを目標にしようと思います。

 あともう一つ。できるだけ低コストでやろうと思います。日本語教育ってお金がかかるようで、学校に通うと数十万円、通信教材でも数万円。でもわたしは数千円の教材費で済ませたい。

 今ある過去問は図書館で借りたり、フリマアプリで中古を安く買ったものです。コピーを取って購入時とほぼ同じ値段で売却。販売手数料と送料、プラスコピー代で済みました。なので一冊あたりのコストは最高でも500円弱。いま9年分ありますが、上に書いたような事情で音が5年分見つからないので(どっかにバックアップ取ってないかなあ・・・)、あと数年分揃えたいです。

 用語集はやはり一冊手元に欲しいので、図書館で内容を確認した上で、気に入った本の中古を手頃な値段で探して買おうと思います。

 いつも教材にかける金額は検定料と同額までを目安にしているので、今回も1万円以下が目安。

 つまり、やり方も目標も予算も、すべていつも通り。長年かけて築き上げた、自分にとって一番信頼性の高い方法と自分に最適化したバランスだから、変えないで安全に行きます^^。

 

雪の白川郷

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