フィンランド語

フィンランディアを訳してみた

 せっかくゴールデンウィークだから、何か思い出に残ることをしたいなと思って、今週は『フィンランド週間』ということにしました。フィンランドに関する本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を見たり、思いつくままにやっています。といっても、映画は「かもめ食堂」、音楽は「フィンランディア」(笑)。なんてベタなの~^^;。あとはサウナにでも入ればカンペキ!

 フィンランディアは、You Tubeに初音ミクの歌詞つきの賛歌があったので、紙に書き取って訳してみました。なんと、歌の出だしの5つめまでの単語を全部知っていたので、できそうな気がしちゃって^^。まだ単語100くらいしか覚えてないのに、すごい偶然じゃないですか? わたし、フィンランド語に呼ばれてるのかも、なーんて^^。

 まあ二行目からはそうはいきませんでしたけれど。でも全く知らない単語の羅列ではなかったし、歌の歌詞って、同じ言葉の繰り返しが多いし、それにわたしには辞書があるんだモン! 知らない言葉が出てきたって怖くありません^^。フィンランド語は格支配がしっかりしているので、文章の骨格がわかりやすいし。

 ただ、歌だからなのか、文法がうまく当てはまらない部分も。そういう部分は適当に想像して読みました

 たとえば「Sun päiväs」という部分があるのですが、sunなんて単語はフィンランド語にはないし、päiväは「日」という意味だけれど、フィンランド語に語尾にsがつく名詞活用はない。このsunって何なんだ? päiväsって一体何?!と思いましたが、sunsinun(汝の)を縮めたもの、päiväspäiväsiの最後のiが落ちているのでは、と。siというのは二人称を示す語尾で、päiväsiで「汝の一日」となるのです。

 動詞と思われるsoisも、soisiならわかるのですが・・・。この単語は行末にくるので韻を踏むためにiを落としたと解釈することにしました。

 辞書に載っていない単語に関しては、google翻訳を使いました。あれ、便利ねー。iPod touchで調べていたので、ウムラルトつきの文字(äö)が入力できなかったのですが、大丈夫のようでした。

 でもそれでもわからなかった単語もあります。「sa」というのがところどころに入っているのだけれど、これはいまだに何だか分からない。だから、合いの手みたいなものかな、と思って無視しました!(笑) 歌だし、そういうこともあるんじゃないの~?と思って。

 ・・・なわけで、完全に正しいかどうかは分かりませんが、こんな感じになりました。逐語訳です。

Oi, Suomi, katso, sinun päiväs koittaa,
Yön uhka karkoitettu on jo pois,
Ja aamun kiuru kirkkaudessa soittaa,
Kuin itse taivahan kansi sois.
Yön vallat aamun valkeus jo voittaa,
Sun päiväs koittaa, oi synnyinmaa.

Oi, nouse, Suomi, nosta korkealle,
Pääs seppelöimä suurten muistojen.
Oi, nouse, Suomi, näytit maailmalle,
Sa että karkoitit orjuuden,
Ja ettet taipunut sa sorron alle,
On aamus alkanut, synnyinmaa.

おおスオミよ、見よ、汝の日が明ける
夜の脅威は追い払われて去り
朝のひばりが美しい声でさえずっている
まるで空の天蓋自身が鳴り響くかのよう
夜の支配を朝の白光が打ち負かし
汝の日が明ける、おお母なる国よ

さあ、立ち上がれ、スオミよ、高く掲げよ
偉大な記憶を冠する汝のこうべを
さあ、立ち上がれ、スオミよ、汝は世界に知らしめた
隷属のくびきを解き払い
圧政下に屈しなかったことを
汝の朝はすでに始った、母なる国よ

 ちなみに「スオミ」というのは、フィンランドのことです。

 このフィンランディア賛歌、リズムが難しい! 歌えるようになろうと、You Tubeを聞きながら何度も練習しましたが、うまくリズムが刻めない。一旦歌詞のことは忘れて100回くらい聞き、やっと少しリズムにのれるようになりましたが、いまだに違和感というか、不思議感があります。「え、一つの単語をそう切って歌っちゃう~?」みたいな。

 フィンランド語のリズム自体、独特ですしね。子音も母音も二つ続きが多く、飛び跳ねるような部分がたくさんあります。その言語リズムがそのまま歌にも生かされていて、フィンランディアも一緒に細かく飛び跳ねます^^。フィンランディアに歌詞を付ける際、シベリウス自ら曲のリズムを少し変えたのだそうです。

 細かい発音をはっきりと聞き取るために聞いたのは、こちらの動画(リンク切れ)です。この動画のおかげで、似たもの同士の音の違い、フィンランド語の音の特徴がよくわかりました。

 しかしきれいですねー。フィンランド語。とってもきれい。自分が学んでいる言語が美しいと、わたしは嬉しくなって、わがことのように自慢したくなります。「ほら、うちのフィンランド語、きれいでしょう?」って(笑)。まだ始めてほんのひと月なのに「うちのフィンランド語って何?」って感じですが^^;。でもこれでまた一つ、フィンランドが好きになりました。

 歌詞の意味がわかったり、不思議な音の組合せに聴き惚れたり。そういう瞬間が嬉しくて、わたしはつい、いろいろな言語に手を出してしまうのです。

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