フランス語

フランス語で喋ってみた1 会話力の3段階

 今日は、フランスでフランス語で喋ってみて感じたことを書きます。・・・と言っても、実はそんなに喋ってないんですけど。会話を楽しんだのは、大家のマダムと話した20分間くらい。あとはお店で何かを買ったり、誰かに道を尋ねたりして必要を満たした程度です。

 でもそうした「フランス語で必要を満たした」のが、意外に面白かった。何かを買う、何かを尋ねるといっても、いろんな段階があることに気づきました。

会話力のレベル3段階

 大雑把に言って、会話力のレベルには三段階あると思いました。

  • ステップ1: 目の前にあるものを手に入れる
  • ステップ2★★: 必要なものを引き出す
  • ステップ3★★★: 予期せぬ情報を引き出す

 たとえば八百屋さんを例にとると

ステップ1★: 店頭に並んでいる野菜を買う

 これは極端な話、言葉が全く喋れなかったとしても可能。指で指し示せば、これが欲しいんだな、とすぐわかってもらえます。

ステップ2★★: 店頭で見当たらない野菜を買う

 「〇〇はないの?」とか「〇〇はどこにありますか?」などと尋ねて、出してきてもらったり、置き場所を聞いたりするのは、ステップ1とは違い、少しは言葉が必要ですが、お店に来ている以上何かを買いに来ているのは明白。だから最悪、単語だけでも、「ああ、それが欲しいんだな」と分かってもらえるし、相手の返答もこちらの想定範囲内なので聞き取りやすい。

ステップ3★★★: 意外なお得情報をキャッチする

 仮に「あと1キロ何かを買えば、ダイエットに効果のある金のりんごを1キロおまけにお付けしますが、どうしますか?」なんていうお得情報があったとすると、これを聞き取るのはターイヘン。なぜなら、こちらが全く予期しない情報だからです。

 観光案内所なら、

  • ステップ1★: 棚に置かれているパンフを貰う
  • ステップ2★★: 窓口で、知りたいことについて尋ねる
  • ステップ3★★★: 窓口で、意外なイベント情報を聞き出す

自分の現状

 いくつか異なった局面に遭遇してわかったのは、わたしはステップ2まではなんとかできる。でもステップ3は無理ということです。

 たとえばfnac(大型の本屋・ビデオ屋チェーン)で、「2冊買えば3冊目はタダ」という本のコーナーを見つけ、6冊レジに運んだのですが、レジの人にダーーーーーーーッと何かを言われて、頭の中は真っ白に。慌てて娘を呼ぶと、「タダになる3冊目はどれでもいいわけじゃなく、値札のついていないものから選ぶように」ということだったようです。わたしがレジに運んだ6冊のうち値札がついていないのは1冊だけだったので、このままだと特典が充分に生かせないけれど、どうしますか、と聞かれていたのでした。

 あと、広大なIKEAで帽子をなくしたときのこと。お店の係員に帽子の形状を話し、届いていないかどうか尋ねるところまではできました。でも届いていないといわれると、ハイ、それまでよ。遺失物が後日見つかったときに連絡をもらえるシステムの存在を娘が聞き出したときには、これは自分にはできない技だと思いました。

 つまりわたしは、定型的な受け答えはできても、予期せぬことには全く対応できない。自分が尋ねた事柄に対し、ストレートに返ってくる返答(たとえば道を尋ねた際の道順とか)は聞き取れるのですが、こちらが全く予期しないことを突然言われると、あっ、無理!って感じでした。

 一年近く留学している娘はステップ3の会話がこなせる。そこがわたしとの大きな違いでした。

今後の目標

 ステップ3にいきなり到達するのは無理なので、まずはステップ2のやりとりをもっときちんとできるようにしたいと思います。

 つまり、カタコトでも通じるけれど、きちんとフルセンテンスで言う。キーワードだけ聞き取ればとりあえずOKだけれど、なるべく全部聞き取る。それだけちゃんとできたら、すごいと思う。だから当面の目標はそこです。

 街で突発的に起こる想定外の会話に比べると、大家のマダムと交わす長い会話のほうがずっとラクでした。長い会話のほうがヒントが多いので、却ってラクな部分もあるのです。個人的な会話は、話のテーマを自分でコントロールすることもできるし、自分のペースにあわせてもらうこともできますしね。

 それに引き換え、街は気ぜわしく、特にカフェの店員さんはキビキビを通り越してセカセカしているので、まったりしたオーダーに付き合わせても悪い。だからこちらもスラスラ・キビキビとオーダーできたらいいなあ、と思いました。そして、こうした想定内の定型的な会話がもっときちんとできる力をつければ、普通の会話ももっと楽しめるようになるし、徐々に想定外の事態にも対応できるようになるのではないか、と。

 では具体的に、今わたしに足りないのはどんな力なのか。そして、何をしたらそれが補えるのか。それはまた次回考えたいと思います。

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