アラビア語

アラビア語検定3級体験記(二次試験編)

 アラビア語検定3級の二次の面接について、覚えている範囲で書きます。事情により、これを書いたのは試験後約ひと月後でしたので、忘れている部分もあると思います。どんなことを聞かれるのか、どんな雰囲気で進むのか、おおよその参考とお考えください。

 この体験記は、かつて存在したアラビア語検定の受験体験記です。実用アラビア語検定は、日本アラビア語検定協会が2007年~2017年に実施していたアラビア語の検定試験で、事業継続が困難となり2017年を最後に休止、2021年8月9日をもって主催者であるNPO法人も解散しました。


 試験官はアラブ人と日本人の二人。 以下は試験官とわたしの会話内容です(ア=アラブ人試験官、日=日本人試験官、私=わたし)。 正確に覚えていないので、日本語で書きますが、元はアラビア語です。 めいっぱいテンパっていたので、事実誤認の可能性もあります。あしからず^^;。

私: アッサラームアレイクム! ドアを閉めてもかまいませんか?
ア: どうぞ。
私: (ドアを閉める)
ア: どうぞ、お座りください。
私: シュクラン。

ア: まず、自己紹介をしてください。
私: はい。桐生うさぎと申します。4年前にアラビア語を始めました。 アラブ・イスラーム学院を2年前に卒業し、現在は家で一人で学んでいます。(ほんとうは今も週に一度通っているが、面倒なので割愛^^;)

ア: アラブ・イスラーム学院というと、麻布と広尾の間にある学校ですか?
私: はい。六本木も近いです。

ア: 先生はどなたですか?
私: スーダン出身の○○先生、××先生、▽▽先生、エジプト出身の△△先生・・・・ほかにもたくさん!です。(・・・って、ファーストネームだけ並べても、分かるわけないよね。せめて父称くらいつけないと。 案の定、無反応な先生方^^;。)

ア: 現在は一人で学んでいるとのことですが、あなたのやる気のモト(حافز)は何ですか?
私: 友達やクラスメートが励ましてくれることです。(「励ます」のつもりでيحافزと言ってみたが全く通じてないっぽいので、يشجّعを使って言い直し。 後に辞書で確認したところ、حافزなんて3形動詞はなかった(正しくは1形)^^; どおりで通じなかったわけだ(笑))

ア: なるほど、友達が電話してくれるのですね?(・・・と、電話のポーズ)
私: いえ、電話ではありませんが、お互いに励まし合っています。(どうやら、わたしが言いかけたيحافزをيهاتف(電話する)と解釈したらしい。 日本人の先生もそれに気付き、そわそわワタワタ。わたしをフォローしたい、でも立場上できない! というジレンマが伝わってくる。先生、優しい~!)

ア: 最初に、友達が電話してくれると言いかけませんでしたか?
私: いえ、يهاتف(電話する)のではなく、يخافزしてくれるのです。 つまり、يشجّع(励まして)くれるのです。(これだけ通じないということは、最初の文字はحではなく、خだったか?と、勘違いの上塗り~! もちろん、そんな単語はない^^;)

ア: ・・・・。 (怪訝そうな顔。でもあきらめてくれたらしい。よかった^^)

 日本人先生から、突然、無言でアラビア語を書いた紙を渡される。黙読すればいいのか? それとも音読? きょとんとしているわたしの顔を見て、慌てる日本人先生。アラブ人先生に、手振り身振りで合図するも、アラブ人先生、泰然自若(笑)。日本人先生、諦めて「1分間で黙読してください」とご自分で指示。

 わたし、紙を読む。大学教育についての内容。「大学は、卒業生に卒業証明書を授与します。 المرحلة الأعلى(高度課程(とは一体??))は、高等課程に続きます。大学では、学生は自分の専攻を選びます」みたいな感じ。

日: はい。(この合図で、読むのをやめるわたし。日本人先生、ひじを動かし、アラブ人先生に合図(笑))
ア: では、声に出して読んでください。どうぞ。

 わたし、ヘタクソな音読を開始。しかも短い文章の中に、知らない単語がなんと3つも!! 語根から意味の見当はつくが、シャクルがふってないので、正確な発音が分からない(涙)。仕方がないので、テキトーにシャクルでっちあげ^^;

ア: 高度過程は、何に続きますか?
私: 高度過程は、高等過程に続きます。(日本人先生が、違う、違う、とわたしに目で訴えかけてくれているような・・・。 思わず紙を見直す。でもどこが間違ってるのかわからない~>< ・・・てゆか「続く」のシャクルが分からない・・・)

ア: 大学教育がそれまでの教育過程と異なるのは、どんな点においてですか?
私: 大学では、学生は自分の専攻を選べます。(先生方がお二人とも、凍りついた表情・・・のような気が・・・( ̄□ ̄;)!!)

ア: 大学は何を授与しますか?
私: 大学は、卒業生に卒業証明書を授与します。(先生方、不安そう~な目つき。たぶんخريج(卒業生)という単語のシャクルが違うんだろうなあ・・・。)
私: 大学は卒業証明書を授与します。(さあ、これでどうだ。 シンプル・イズ・ベスト(笑))

ア: 格変化をはっきりどうぞ。
私: シャハーダーティン!!

  (先生方、大喜び! わたし、思わずガッツポーズ。こんなことくらいで誉められてるわたしって一体・・・(´ー`)┌)

私: すいません、خريجという単語は知らないのですが、متخرجと同じ意味ですか?
ア: そうです。
私: シュクラン。

ア: ところで、アラブ諸国に行かれたことはありますか?
私: はい、2年前、スーダンへ行きました。スーダンしか行ったことがありません。(日本人先生が驚いてくれた。先生、親切! 嬉しいo(*^▽^*)o)

ア: スーダンの人々はどうでしたか?
私: わたしが出会ったスーダン人はほとんどがアラブ人で・・・(なぜそんな前置きを? 寛大だったとか親切だったとか、端的に答えりゃいいのに)

ア: アラビア語は通じましたか?(がーん、答えないうちに、話が変わってしまった;;)
私: いいえ。彼らはフスハーではなく、アーンミーヤで話していました。

ア: アラブ研究所には行きましたか?
私: いいえ、有名なところには行きませんでした。スーダンへは、知り合いの結婚式に出るために行ったのです。(ここでまた驚いた顔をしてくださる日本人先生。嬉し~い。.:♪*:・'(*⌒―⌒*)))

ア: ところでお住まいはここから遠いのですか?
私: 横浜に住んでいます。ここから電車で約1時間半かかります。

ア・: 1時間半ですか~。 (え、なぜそこで二人でハモる?! また何か間違ったか、わたし??)
私: はい^^。

ア: では、電車を乗り換えるのでしょうね?
私: はい。二回。(ボロの出ない、シンプルな答えが一番!)

ア: これで試験は終わりです。
私: シュクラン。

私: ・・・ あっ、そうだ、すみません、初等過程、中等過程・・・
ア・日: ・・・中等過程、高等過程、大学。
私: なるほど~。シュクラン ジャジーラン! マアッサラーマ。(では高度過程とは何? 大学のこと? 今もって謎)


 ・・・とまあ、こんな感じでした。 日本語で書くと、あたかもきちんとしたアラビア語で答えていたかのようですが、実際はかなりブロークンが入ってたと思います。

 でもおそらく、短くてもいいから、正確で間違いのないアラビア語で答えることが求められていたのでは、と思います。先生方が困った顔をされたとき、わたしは、答えの方向性が間違っているのかと思って文章を見直したりしていましたが、答え自体ではなく、活用や発音に問題アリだったからでは、とこれを書いてみて気付きました。

 文中にある単語を使って答えなくてはならないような気がしていて、正しいシャクルを知りもしないのに無理やり使って答えたのはまずかったと思います。一緒に受けた友達は、「『文中の言葉を使わなくてもいいですか』と尋ねたら、『どうぞ』と言われたので、自分の使い慣れたボキャで答えた」と言っていました。わたしもそうすればよかったと思いました。

 先生が質問の中で使った単語をそのまま使えればよかったのですが、質問の意味ばかり追いかけていて、まるで発音を聞いていなかったようです。今先生が使ったばかりの単語の発音が思い出せない、ということが何度もありました。

 そうかと思えば、中途半端に聞きかじり、先生が使われた1形の能動分子حافزからの連想で、1形を3形にしちゃったり。中途半端に覚えたボキャというのは、読む・聞く場合はいいですが、話すときには全く役に立ちませんね。

 いつも話す相手は、気心の知れた先生方ばかりだから、いい加減なアラビア語でも理解してくれるけれど、いつまでもそこに甘えていちゃいけないと痛感しました。

 ちなみに、一緒に同じ級を受けた仲間に尋ねたところ、紙の内容はみんな違ったみたいです。「季節について」とか「エジプトの地理的位置について」とか。

 今後アラビア語検定3級を受験される方のご参考になれば、幸いです。

スーダンにて
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