英語スペイン語

DMM英会話で旅のおさらい

 DMM英会話に入会してからこの4月で10年が経ちました。

 世界中の講師が在籍するDMM英会話はわたしの趣味である海外旅行と相性が良く、海外旅行前はいつも渡航先の国の先生とその国で話される言語で会話し、旅先の情報収集と会話練習に努めています。

 更に最近、旅行前だけでなく、旅先から帰ってきたあともオンラインレッスンが役に立っていると実感しています。

旅で感じた疑問

 中南米に行ったのが初めてだったからか、2月に行ったグアテマラでは、いつもの旅行以上にいろいろ考え、たくさんの疑問を抱きました。そうした疑問のいくつかは滞在中にホームステイ先のホストマザーに尋ねて氷解しましたが、聞き忘れて残った疑問もありました。

 そんな疑問が帰国後、DMM英会話およびスパニッシモ(先生は全員グアテマラ人)のレッスンで次々と解けていき、いまとても清々しい気分です。

ずぶ濡れボート

 たとえばグアテマラ滞在中、こんな疑問がありました。「アティトラン湖のボートでずぶ濡れになった理由」です。

 サンティアゴ・アティトランという村からパナハッチェルまでアティトラン湖をボートで帰ったとき、ボートが揺れる度に湖の水がざっぱーん!とかかり、ボートの最前列に座っていた夫とわたしは全身ずぶ濡れになりました。旅行前にたくさん見たアティトラン湖のボートの動画でそんな目に合っている人はいなかったのに。自分自身、行きはやはり最前列に座っていたにも関わらずそんな目には合わなかったので、これは単に運の問題なのか、それとも割とよくあることなのか、気になっていました。

 そこでこの話をグアテマラの先生にすると「それ何時ごろ?」ときかれたので「午後4時頃だったと思う」と答えると、「えっ、そんなに遅い便があったの? それじゃあ揺れて当然。アティトラン湖って、夕方は波が高くて危険なので、ボートは3時頃にはだいたい終わっちゃうのよ」。なるほど、時刻によるものだったのですね。すっきり腑に落ちました。

 わたしたちが乗ったのは、パナハッチェルへ帰る最終便。ずいぶん早くボートの運行が終わっちゃうんだなと思ったものですが、ボートが日中しか運航しないのは、安全を考えてのことだったのですね。確かに、夕方から夜半にかけて、ずいぶん風が強いなあと思った覚えはあります。

 まあ気候が温暖なので、ずぶ濡れになっても寒くはなかったし、周囲の人に心配されたくさんの人から声をかけてもらったので、今となっては良い思い出ですが、道理で、ボートの席は後ろから詰まり、わたしたちが乗り込むときには最前列しか残っていなかったわけです。地元の人は、夕方の波は高く、前のほうの席は濡れると知っていたのでしょう。

ハチドリ

  グアテマラ滞在中、ハチドリを見ました。南北アメリカ大陸にしか生息していないらしく、見たのは初めて! 屋外レストランでブンブンいう音が聞こえたので何かな、と思ったらハチドリ。羽を小刻みに動かしながら、空中の同じところにとどまって花の蜜を吸っていました。見た目は鳥なのに、動作は蜂とかアブみたい。だから「ハチドリ」と呼ばれているのでしょうか。

 現地でも珍しい鳥をたまたま目にしたのだろうか? それとも中南米では普通に見られるのだろうか?と疑問に思ったので、帰国後、中南米の先生5人くらいに尋ねてみました。

 すると、どの先生も「ごく普通に見かける」とのことでした。ある先生など「南北アメリカ大陸にしかいない」とわたしが言っても信じず「いや、アジアにもいるはず」と断言するほど。それくらい中米では当たり前の鳥なのですね。

 ちなみにハチドリは英語では hummingbird。スペイン語の呼び名はいろいろありますが、どの先生も colibrí と呼んでいました。picafloresという名前もあり、その名前のほうが picar flores(花をつつく)というそのものズバリで覚えやすいのですが、その名ではどうもあまり通じないので、colibrí という名前を覚えることにしました。

ケツァール

 グアテマラを発つ前日、アンティグア近くのアグア山で山火事が起こりました。アグアは休火山。火山が噴火して火災になったわけではなく、山の中腹に住む住民の焚火の不始末が原因だそうです。火はアッと言う間に燃え広がり、富士山とほぼ同じ高さの大きな山を噴煙が取り巻きました。滅多に起こることではないらしく、ホストマザーは「あそこにはケツァールだって住んでいるのに」と悲しそうに首を振りました。「・・・えっ、ケツァールが?!」思わずわたしは聞き返しました。

 同じ鳥でも、ハチドリとは違い、ケツァールは非常に珍しい鳥です。グアテマラの国鳥で、国旗にも描かれ、通貨の名前にもなっている美しい鳥で、グアテマラ人にとっては特別な鳥ですが、生息数は少なく、グアテマラ人でもケツァールを見たことがない人のほうが多い。そんなケツァールがアンティグア近くの山にも生息しているとは信じがたかったのです。

 そこで帰国後、グアテマラの先生に「ホストマザーがそう言っていたんだけど、どう思う?」と尋ねると、「まさか~! アグア山にケツァールが住んでいるなんて、ありえない」とのこと。「あの鳥は北部の森にしかすんでいない」のですと。やっぱりそうだよねえ・・・。ホストマザーは50代。もしかしたらホストマザーが若い頃にはまだアグア山にケツァールが住んでいたかもしれませんが、市街化が進んだ今じゃ・・・。

 ところがこれにはどんでん返しがありました。昨年アグア山でオス4匹、メス1匹計5匹のケツァールが目撃されたのですと。写真やビデオにも納められたようです。

Quetzales y otros animales silvestres vistos en el Volcán de Agua: Las imágenes, la iniciativa y el llamado de auxilio para proteger el lugar
Un grupo de quetzales fue captado en video y fotografías en el Volcán de Agua y representan parte de la diversidad de especies que habitan este lugar.

 きっとホストマザーはこのニュースを知り「あそこにはケツァールが住んでいる」と言ったのでしょう。でも逆に、ニュースになるくらいだから、極めて珍しいことではあるのでしょう。

 幸い山火事で人的被害は出ませんでしたが、多くの動植物が犠牲になったそうです。ケツァールに関する報道はありませんでしたが、もしケツァールがいたとして、山火事の被害がケツァールには及ばなかったと信じたいです。

小さなお店

 グアテマラで驚いたことの一つは、小さなお店の多さです。通りに面した民家の3~5軒に一軒は小さなお店をやっていて、判で押したように同じものを売っていました。アイスとスナックとコーラなどの清涼飲料水です。

 アイスが100円から、小袋に入ったスナック菓子が40円からという価格設定。収入が低いグアテマラで飛ぶように売れるとも思えない。さりとて観光客相手にしては立地が微妙。当然のことながら、どこも閑古鳥が鳴き、商品には薄っすらと埃が。

 その話を帰国後、4~5人の中南米の先生に話すと、「そうなんだよねー、うちの周りもそんな感じだ」とのこと。驚いたことに、その状態は中南米に限ったことではないようで、東欧の先生さえもがそう言うのです。

 「なんでどの店も同じものを仕入れるんだろう? 別のものを売ればいいのに」というと、ある先生が言うには「メーカーのセールスマンが家々を訪問して店をやらないかと持ち掛け、自分のところの商品を売り込む。だからどの店も品ぞろえが同じなんだよ」。

 それを聞いて「あ、日本のコンビニと同じか!」と合点が行きました。日本のコンビニも、大手フランチャイズが地主にビジネスを持ちかけ、店を開業させ、自分のところの商品を仕入れさせる。儲かるのはフランチャイズカンパニーばかり、意外と店のオーナーは儲からないと聞いたことがあります。日本のコンビニはさすがにそこまで乱立してはいないけれど、からくりは同じなのか、と。

 同じものを売る店が閑古鳥が鳴いているのに対し、その店にしかないものを売る店は繁盛していました。たとえば手作りアイス屋。天然の材料を使った手作りアイスを売る店で、値段もメーカーのアイスと同じくらい。特別立地がいいわけでもなく、看板も屋号も掲げていない小さな店なのですが、口コミで広がるのか、お客さんが引きを切りませんでした。わたしもホストマザーに聞いて買いに行ったのですが、コーヒー味はコーヒー、苺味はしっかり苺の味がしました。同じ「店」でも、自分で考えて売る店と、人に言われるがままに出す店とでは、えらい違いがあるものですね。

 グアテマラの他の場所でも売り手が多すぎるように思いました。たとえばチチカステナンゴの木曜市。純粋な買い物客はほとんどおらず、売りに来ている人ばかりがやたらと多い。もしかしたら売り手がお互いに商品を売り合って買い合って、物々交換的に成り立っている市なのかもしれませんが、この市で現金収入を得るのは難しそうです。わたしも何かいいものがあれば買おうと思ったのですが、めぼしいものがなく、結局何も買わず。同じツアーバスで行った15人ほどの外国人観光客も、帰りに買い物袋をぶら下げていたのは一組だけ。みな「市の風情楽しむ」だけで終わったようです。

 ところで、「何かを売っている」以上、就業していることにはなるのでしょうが、結果として「何も売れなかった」場合、経済活動に関与しているとはいえず、そうするとそれは「仕事をした」ことになるのでしょうか?

 わたしたちは経済活動の健全性を測るとき「失業率」とか「労働力人口」といった指標を参照するけれど、その数値はどこまで実態を表しているのか。グアテマラの社会を見ていて、なんだかよく分からなくなりました。

アンティグアでもパナハッチェルでも
全く同じ品ぞろえの店が3軒ごとにあるのは一体どうして??
アンティグアの手作りアイス屋さん
アタバルの通り、Cafe No Seの隣あたりにあります
平日の午後のみの営業

古い卵

 グアテマラで浮かんだ謎はまだ、すべてが解決したわけではありません。

 解決していない問題の一つが「卵」です。夫は目玉焼きが好きで、グアテマラのホームステイ先で朝「卵はどうする?」と尋ねられるといつも「Fried egg, please」と英語で答えていました。

 すると、実際 fried egg は出てくるのですが、それは断じて「目玉焼き」ではありませんでした。なぜなら、黄身が破れて「目玉」になっていないからです。なぜ黄身が壊れているのか。試しに自分で何度か焼いてみたところ、卵を割った時点でもう黄身が流れて丸い形をとどめないことが分かりました。

 おそらく古いのだと思います。古いといっても、腐るほどではないから、加熱して食べるのに支障はないけれど、「目玉焼き」にはならない。ホストマザーは卵をキッチンカウンターのボウルに入れ、常温で保存していましたが、おそらく古いのはそのせいではなく、買ってきた時点ですでに古いのだと思います。

 卵って、日本では冷蔵庫で保管し、1~2週間程度で食べきる人が多いのではないかと思いますが、意外と常温でも数か月持つのです。だから海外では、とんでもない劣悪な環境に置かれて売られていることがあります。たとえば常夏のスーダンで、カンカン照りの店先に並んでいるのを見たことがあります。賞味期限の表示なんかあるはずもなく、お客は無造作に前のほうから取って買っていくので、隅のほうに古い卵が残ってしまい、腐った卵をつかまされることもあるんじゃないかと思います。

 さてわたしの目下の疑問は「一体世界のどれくらいの国で、黄身が崩れない程度に新鮮な卵を食べることができるのだろうか」です。さすがに日本だけ、ってことはないだろうけれど、意外にそういう国は少ないのかもしれません。卵を安全に生食できる国は少ないと聞いたこともあるし、海外では意外と卵の鮮度にこだわらないのかも?

 折に触れて、DMM英会話の世界中の先生方に尋ねてみようと思います。

一つ一つは取るに足らないことだけど

 グアテマラでは今までの旅行以上に刺激を受けた分、旅先で浮かんだ疑問を帰国後になっても解決できる環境の有難さを今しみじみ感じています。

 卵がどうしたとか、鳥がどうだとか。一つ一つの疑問は取るに足らないこと。それが解決したところで、大きく世界観が変わるわけでも、まして人生が変わるわけでもない。でも、こういう小さな疑問の積み重ねが、自分なりの世界観、自分ならではの人生を作ってきたし、これからも作っていくのだと思います。

 地球の裏側で感じた疑問を解決する手段が、いつも手近に用意されている。この境遇には感謝しかありません。

タイトルとURLをコピーしました