グルジア語

グルジア語に関してやったこと

 コーカサスの小国ジョージアの首都トビリシに行ってきました。

 以前からジョージアという国には興味がありましたが、簡単には行かれない国のような気がしていました。でも数年前スルタンさんのブログで旅行記を拝見したのがきっかけで、行かれるんだと分かり、ますます行きたくなって、渡航の機会を窺い始めました。

 実際に行ってみると、飛行機の乗り継ぎは1回、それほど遠くもなく、ビザも必要なく、治安も良く、物価も安めで、むしろ行きやすい国でした。

 この記事では、ジョージア旅行に向けジョージア語(グルジア語)に関してやったことを書きます。

文字

 グルジア語の学習を開始したのは、トビリシ行の航空券を購入した4月の末のこと。グルジア語は、グルジア文字という独自の文字で記されます。なのでまずは文字を覚えることから始めました。

ジョージア語アルファベット
グルジア語アルファベット(wikipediaより)

 これがグルジア文字です。丸っこくてかわいい。

 毎日なんらかの形でグルジア文字を読んだり書いたりしていたら、出発までにはたどたどしいながらも、一応読めるようになりました。

 グルジア文字は全部で33文字。一つの音が一つの文字に対応しています。大文字と小文字の区別はありません。google翻訳を使っていると、ちょくちょく文の最初の文字が大文字(?)になりますが、ネイティブに確認したところ、単なるミスだそうです。

ないはずの大文字が表示される不思議なgoogle翻訳

 実際行ってみたら、何でもグルジア文字で書いてあって、バスの行先などもグルジア文字。意外とラテン文字が併記されていなかったので、文字が読める(発音が分かる)のは心強かったです。

動画を見ながら文字を書いてみる

 文字は、youtube動画を見ながらノートに書き写すことから始めました。

 グルジア語の書き方動画はけっこうあるのですが、ネイティブが出している動画ばかりではないので、どの動画をお手本にすべきか迷いましたが、結果的に下の動画などを参考にしました。

 あと、以下のページは書き文字のバリエーションが整理されていて、非常に参考になりました。

動画を見ながら単語を書いてみる

 個々の文字に慣れてきたところで、今度は単語を書くようにしました。

動画を見ながら書いたノート
最初の頃に書いたので、まだ文字の書き分けができていません

ネイティブにチェックしてもらう

 ある程度文字が書き慣れてからは、DMM英会話の複数のグルジア語ネイティブの目の前で書いて繰り返しチェックしてもらい、似ている文字の書き分けのコツなどを教えて頂きました。DMM英会話のレッスンにはホワイトボード機能みたいなのがあって、マウスで自由に書き込めるんです。それを利用しました。

赤がわたし、青が先生の書いた文字
マウスがうまく扱えなくて、文字がガタガタ^^;

 たとえば は、最初の書き出しを基準線より上から書き出し、書き終わりもしっかり曲げる。 と紛らわしいので、上半分をまっすぐ書く。 を二つ重ねるように書き、基本線の上に載せる。そうやって紛らわしい の三つを区別するようです。 

 なお文字の書き順に関しては、日本語ほど厳格にはこだわらないようです。

発音

 文字が書き慣れてきた頃、発音練習も開始しました。これもネイティブの先生方にチェックして頂いています。

子音の連続

 グルジア語の発音は、日本人にとってかなり難しいです。どこが難しいかというと、まず子音がやたら連続すること。たとえば首都トビリシにはムツクヴァリ( მტკვარი )という名の川が流れていますが、最初の「ムツクヴ」はmtkvという4つの子音の連続。その子音の取り合わせの奇想天外さは、ロシア語も真っ青です。

放出音

 しかも個々の子音の発音が、連続していなくたって難しい。放出音という、日本人には馴染みのない音の一群があるのです。

 p、t、ʦ、ʧ、k の五つに関しては、有気音と放出音がペアになっています。

両唇破裂音
(p)
歯茎破裂音
(t)
歯茎破擦音
(ts)
硬口蓋破擦音
(ʧ)
軟口蓋破裂音
(k)
有気音
放出音
有気音と放出音の対立

 このうち、上段の有気音は英語のノリの発音でも問題ないようです。

 問題は下段の放出音で、これまでどの言語でも出会ったことのない音。まるでボイスパーカッション。通常の発音に加え、ポンッとか、チャッとか、別の音が同時に聞こえる。

[pʼ] の発音
[tʼ] の発音
[tsʼ] の発音
[ʧʼ] の発音
[kʼ] の発音

 ものの本には発音のコツとして、

のどの奥をいったん閉じ、のどに力を入れたまま発音します(中略)

 練習の方法としては、前に「っ」があると思い浮かべるとよいでしょう。

ニューエクスプレスプラス グルジア語 p.17-18

と書かれています。その教えに従い、けっこう頑張って練習したものの、まだまだ先は長そうです。

 ただネイティブによれば「これらの音が発音し分けられなくても、別の単語と取り違えられることは滅多にないだろう」とのこと。არი(ドア)と არი(風)のような例もあるにはありますが、レアケースのようです。

 しかし不思議なのは、西洋言語からの借用語に使われるのは有気音ではなく、むしろ放出音のほうであるという事実です。たとえばstudentუდენ 。t にあたる音が二つとも ではなく になっています。passportもそう。ასორ と、 ではなく ではなく と、すべて放出音。グルジア語ネイティブの耳には、西洋言語の音は、有気音よりも放出音により近いように聞こえるのでしょうか??

 あと、グルジア語には f の音がないので、 ( p )で代用します。たとえばアフリカは რიკა(アプリカ)。韓国語みたいですね。かわいい^^

最難関の放出音

 グルジア語の放出音は実はもう一つあります。

  • (口蓋垂放出音[qʼ])

 この音はグルジア語の中でも最も難しい発音とされています。

[qʼ] の発音

 ただ、他の5つの放出音と違い、この音には対立する有気音がないので、うまく放出音にできなかったとしても、口蓋垂破裂音(=アラビア語の ق)にさえなっていれば、他の音と混同は避けられそうです。

フレーズ

 フレーズは、無料アプリuTalkに出てきたものを中心に、耳から覚えました。uTalkについては以前別のページで書きましたので、もしよかったらご覧ください。

 覚えたフレーズは以下の通りです。出発まで時間が限られていたので、本当に現地で使いそうなものに絞り、その代わり確実に言えるようにしました。

  • დიახ. / არა.(はい / いいえ)
  • გამარჯობა.(こんにちは)
  • მადლობა.(ありがとう)
  • გმადლობთ.(ありがとうございます)
  • ნახვამდის.(さようなら)
  • უკაცრავად.(ちょっとすいません)
  • ბოდიში.(ごめんなさい)
  • ~ სად არის?(~はどこですか?)
  • ~ თუ შეიძლება.(~をお願いします)
  • ~ მინდა.(~が欲しいです)
  • არ მინდა.(要りません)
  • ეს რა არის?(これは何ですか?)
  • ვერ გავიგე.(わかりません)
  • არ ვიცი.(知りません)
  • ძალიან სასიამოვნოა.(初めまして)
  • როგორ ხარ?(お元気ですか?)
  • კარგად ვარ.(元気です)
  • გემრიელია.(美味しいです)
  • კარგია.(良いです)
  • გაუმარჯოს!(乾杯!)
  • გაგიმარჯოს!გამარჯობაგაუმარჯოსに対する返答)
  • მე იაპონელი ვარ.(私は日本人です)
  • რა ~ xx!(なんと~なXXなのでしょう!)

単語

 単語もuTalkに出てきたものを中心に、現地で使いそうな単語に絞って覚えました。

  • ტუალეტი(トイレ)
  • სადგური(駅)
  • თბილისი(トビリシ)
  • საქართველო(ジョージア)
  • ქართველი(ジョージア人)
  • ქართული(ジョージア語)
  • ღვინო(ワイン)
  • წყალი(水)
  • წიგნი(本)
  • კატა(猫)
  • კონტეინერი(食べ残し持ち帰り用容器)
  • ანგარიში(お会計)
  • ცოტა(ちょっと)
  • დიდი(大きい)
  • ძალიან(とても)

 あと、アラビア語やトルコ語などからの借用語がけっこうあり、そういうのは自然と覚えました。

  • ვარდი(薔薇)
  • ზეთი(油)
  • კალამი(ペン)
  • ფინჯანი(コップ)
  • ბინა(アパート)
  • ჩანთა(バッグ)

文法

 文法は当初やるつもりはなかったのですが、覚えた文字を使ってニューエクスプレスプラス グルジア語のスキットを書き写していたら、単語に様々な接尾辞がくっついているのが面白く、興味を持ちました。

 接尾辞をマーカー付箋で色分けしたら、自然と覚えてしまいました。

 これ、やっておいて良かったです。地図で見る道の名前がラテン文字表記とグルジア語で違っていて最初混乱したのですが、文法をかじっていたおかげで、グルジア語は属格で表記されているのだと気づけたからです。たとえばタビゼ( ტაბიძ )という名前のはずの道が ტაბიძის ქუჩა (タビズィス通り)となっている。タビゼとタビズィスではだいぶ違いますよね。これが同じ道だと気づけたのは、格変化を学んだおかげです。

 一方、動詞の活用は難しく、何がなんだかさっぱり分からなくて諦め、ただ機械的にノートに書き写すにとどめました。

文字の練習用ノート(B4)とニューエクスプレス用ノート(A5)
好みの表紙と中の用紙を組み合わせてカスタマイズ

 渡航前の一番モチベーションの高いときに、入門書をとりあえず最後まで一周回せて良かったです。二周目以降は少し余裕が出て、少しは動詞も理解しようという気持ちになるといいなと思っています。

ジョージア・トビリシの平和橋
ムツクヴァリ川にかかる歩行者専用の平和橋
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