英語

こんな第二外国語だったらいいな

 昨日のスカイプレッスンで喋ったフィリピンの先生の話が面白かったので、覚え書き。

 この先生は弱冠19歳。でも半年以上前から先生を続けているのは、DMM英会話ではかなり古株のほうです。人気の先生で、予約がビッシリ。たまたま直前にキャンセルがあり、運よく取れました。・・・というか、夜のクラスって、たいてい毎日どこか一コマくらい、キャンセルが出るのよね。

 しかしビックリなのは、朝5時半(現地時間)から夜遅くまで毎日10時間くらいぶっ通しでレッスンを開講していることです。「一体いつ食事をするの?」と尋ねたら、オフィスのパソコンのそばに食べられるものを用意しておき、レッスンとレッスンの合間の5分の休みに少しずつ食べるのですと。5分の休みったって、ノート書いたりなんだりを差し引くと、2分しか残らない。その2分の間にトイレに行き、ご飯をほおばるというからスゴイ(驚)

 ちなみにこの19歳のお嬢さん、大学を卒業してもう社会人です。フィリピンの教育制度は日本と違い、日本の中学高校にあたる6年が4年しかないので、20歳くらいでもう大学卒業。さらに彼女は休暇中も講義に出席して単位を稼ぎ、3年で卒業したのですと。努力家だー。

 将来は外交官になりたいんだそうですが、外交官試験が受けられるのは22歳から。それまで仕事と勉強を兼ねて、DMM英会話で働いているのだそうです。

 外交官試験は狭き門で、毎年約900名の受験者のうち、合格者はたった6名なのだそう。試験は政治や経済にとどまらず、音楽、文化、絵画など、先生の言葉を借りて言えば「all things under the sun」(お天道様の下にあるありとあらゆるものすべて)について問われるのだそうです。

 「じゃあ、日本のサブカルチャーについて問われることもあるかな?」と聞いたら「大いにありえる」とのこと。幅広い知識の蓄積をめざし、朝から晩まで英語教師として日本人の生徒と話し、ついでに世界中のほかのDMMの先生ともスカイプで話をしているんですと。

 「何語で話すの?」と尋ねたら、「もちろん、英語でよ」とのことでしたが、「でもスロベニアの英語は無理っ! あまりに聞き取れないので、自分は英語ができないんじゃないかという気がしてくる」という。そうなんだー、本当かどうか、今度スロベニア人の先生指名してみよう(笑)。

 それはそうと。

 先生の大学時代の話が面白かったです。Lyceum of the Philippines University Manilaという大学で国際関係学を学ばれたのだそうですが、面白いのは、その外国語カリキュラム。

 まず一年次の上半期に、言語を順に5つ選んで学ぶのですと。

 ・・・で、2年次以降は、その5つの中から一つ、一番気に入った言語を選び、以後3年間学び続けるらしい。

 要するに、最初の1年次はトライアルみたいなものなのかしらね。フランス語や中国語、ロシア語といったメジャーどころはもちろんのこと、ヘブライ語やオランダ語など、マイナーめの言語もあるそうです。

 この先生は5つ選んだ中で日本語が一番面白かったので、3年間日本語を学んだと言っていました。

 この話を聞いて、こういうのいいな、と思いました。

 日本の大学の第二外国語は、こんなに選択肢が広くなく、場合によっては3つしかない中から、体験授業が1度2度あるやなしやで無理やり選び、いずれか一つ、受講しなくてはならない。

 ・・・で、けっこう二外っていうのは毎週2度くらいあってキツいんだけど、1年かけて一通り基礎文法を学び、首尾よく単位を取得したところで、たいていの場合、全く使い物にはならないし、「二外が面白かったから更に学び続ける」という人はすごくレア。

 むしろ「○○語は二度とイヤ」というトラウマが残ることのほうが、圧倒的に多い気がする。二外を落とすと卒業できないので、一応単位が取れる程度にはみな頑張るけれど、単位確定が判明する頃には、もう何も覚えちゃいない。無駄に外国語アレルギーを増やして終わる。

 かくして「第二外国語なんて課す意味があるのか」という第二外国語不要論が生まれるわけです。

 でも二外で真面目に文法学んだところでどうせろくに使えるようにはならないんだから、最初から「モノにする」ことは諦めて、先生の大学の一年次みたいに、ただ「こういう言語があるよ」っていう、導入程度にとどめたらどうだろう?

 ビュッフェみたいに、いろんな言語をたくさん並べて、ちょびっとずつつまみ食い。そしたら、楽しいんじゃないのかな。

 関係代名詞がどうの、なんてことはやらず、テレビの語学番組みたいな、現地ムードたっぷりの楽しいビデオを見て、挨拶など、基本フレーズをいくつか覚え、それが言えたら単位ゲット。

 さらにもうちょっと高級なことまで言えたらAゲットとか、A+ゲット。欲しい成績にあわせて、皆それぞれ努力の量を調節すればいい。 

 そうやって何言語か体験してみて、「これは面白い」と思う言語があったら、そしたら2年次以降も学び続ければいいし、もしどれにも興味がわかなかったら、そこで終わりにすればいいと思う。

 英語以外の外国語を体験するチャンスというのはあったほうがいいと思うんです。体育で、いろんな球技を少しずつ体験するように。

 でも外国語学部以外は、外国語が専門じゃないんだから、それ以上強要する必要はないと思う。導入を過ぎたら、やりたい人だけがやればいいと思うのです。

娘の誕生日にて。クレープビュッフェです
タイトルとURLをコピーしました