バントゥー諸語・コイサン諸語

コサ語の練習

アフリカのネックレス

 ジンバブエの先生(過去記事参照)に続き、ボツワナの先生ともご対面~。実はこの先生も出身はジンバブエ、先の先生と子どもの頃からの仲良しだそうです。

 ジンバブエ、ボツワナ、南アフリカの言語事情を伺いました。ショナ、ンデベレ、セツワナ、ソト、カランガなどなど、いろ~んな言語の名前が出てきて賑やかでしたよ~。

 特に興奮したのが、南アフリカの「コサ語(xhosa)」の名前が出てきたこと。「コサ語、キターーーーー!!」って感じ(笑)。有名だもんね^^。

 コサ語が日本で広く紹介されたのは、千田先生の「世界ことばの旅 地球上80言語カタログ」に例外的な措置で収録されたのがたぶん最初じゃないかな、と思います。

 そのあと黒田龍之助氏が著作でくりかえし取り上げ、最近では「ダーリンは外国人」のダーリンことトニー・ラズロ氏が練習している言語ということで更に有名になったのではないかと(※その学習成果はこちらの動画で披露されています)。

 なぜそんなに注目されるかというと、発音が面白いからです。吸着音(クリック音)という独特の発音がある。

 たとえばこのコサ語動画。ポコン、ザザッ、チャッといった舌打ちみたいな音が聞こえる。発音というより、ボイスパーカッションみたいな感じ。

 わたしはこれまで「コサ語」だけがそういう音を使うのだと思っていました。でもボツワナの先生の話によれば、コサ語、ズールー語、ンデベレ語はよく似ていて、お互いに通じるそう。だったら他の言語にもクリック音があるのでは?と思って調べたら、やっぱりあった。ズールー語でもンデベレ語でも同じクリック音を使うようです。

・ ズールー語の動画

・ ンデベレ語の動画

 他にも類似の言葉があるのに、特にコサ語が有名になった背景には、言語名からしてクリック音が入っているからかもしれません。もしくはマンデラ大統領の母語だからかな?

 更に、これはニジェール・コンゴ語族のングニ諸語だけに見られる特徴ではなく、むしろ本家本元は全く別の語族であるコイサン諸語(Khoisan language families)であることがわかりました(wiki参照)。

 しかも! 

ボツワナ南部のコオ(!xo)語ではクリック音だけでも80音もありますだそう!!(「世界のことば小事典」p.182より)

 子音が80て・・・。子音がすべてクリック音だったとしても、日本語の4倍ある・・・(怖)。

 ちなみにズールー語も、クリック音は3種類だけれど、それぞれに5種類のバリエーションがあり、

都合15種類のクリック子音が使い分けられている

事典 世界のことば141 p.491

そうなので、そういうコオ語の80というのもそういう数え方なのでしょうけれども、それにしたって多い。

 この動画では、もともと人類の言語はクリック音つきが普通だったのでは、と言っています。クリック音を失ったグループがアフリカを離れ、世界の各地へと広がっていたのではないかと。ウィキペディアによれば、

話者のコイサン人種は現生人類最古の系統とされ、吸着音は現生人類最古の言語の特徴を今に伝えるものと考えられている。

wikipedia コイサン諸語

のだそうな。

 まあとにかく聞いてみよう。早速you tubeで探してみました。

・ コイサン語の動画 ←これ必見!

 ・・・おおっ! これはすごい!! クリック音の嵐!! 特に早口言葉とかじゃないのに。すごい、すごい、すごい!! ボイスパーカッション付きの発話? いつもこんなふうに喋っているのかなー。どうしたらこんな風に喋れるんだろう?? 

 でも諦めるのはまだ早い。アヒル口ができるようになったわたしだ。これも練習すればできるようになるかも?!

 声と一緒に出すのはちょおおおおっと敷居が高いので、まずはクリック単体だけでやってみました。とりあえずコサ語で使われる3種類(c、x、q)のみ。

 英語版のwiki(Click consonants)に舌の使い方があります。英語ネイティブ向けの説明だから、日本人には分かりにくいけれど。「馬を急き立てるときみたいな音」と言われましても・・・^^;。それより嬉しいのは、いろいろなクリック音を聞けること。

 あとこの動画も参考になった。

・ KhoeKhoegowab語のレッスン

 説明によれば、KhoeKhoegowab語というのは、コイサン諸語の中で最も話者の多い言語だそうです。日本語ではコエコエ語とか、ナマ語とか、いろんな名称で呼ばれているらしい(wiki参照)。

 最初に戻ってこれはコサ語。

・ xhosa語のレッスン

 分かりやすさではこれが一番かなー? 舌の動きとかがはっきりしている。これはシリーズになっていて、他に挨拶などの練習動画もあります。

 c ( | ): 舌の先を前歯近くの上あごにつけて弾く。チュチュチュ又はシャシャシャ・・・と聞こえる 

 x ( || ) : 舌を左右どちらかの奥のほうに寄せて弾く。チッチッチッまたはギギギ・・・と聞こえる

 q ( ! ) : 上あごを弾いてコン、又はポコン、という音を出す。ポコポコポコ・・・って感じ。

 難しい~~~~!!  とくにcとx。うまく発音しわけられない;;

 

 だがしかし。わたしには強い味方がいる。アフリカの先生方に教えてもらえばいいんじゃないか?

 こんどレッスンで教えてもらうことにします。
 

わたしの虎の巻「世界のことば」コレクション

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