フランス語

仏検5級体験記

 2005年6月、高校生の娘と一緒に実用フランス語技能検定試験5級を受検し、合格しました(得点:100点満点中96点)。フランス語の学習を始めてから、二ヶ月半後のことでした。

 ここではわたしがどんな教材を使い、どのくらい学習したかを書きたいと思います。 これから仏検5級を目指される方の参考になれば幸いです。

仏検を受けようと思ったわけ

 わたしが仏検を志したのは、夏にちょっとした用事でフランスへ行くことになり、 フランス語を勉強しはじめたのがきっかけです。

 とはいえ最初は、仏検を受けようとか、フランス語が上手くなりたいなどというほどの大志はなかったので、4月から新編成となったテレビのフランス語講座を週に一度見る程度でした。また、学校で第二外国語にフランス語を選択した娘にノートを見せてもらい、 1フレーズか2フレーズ、声に出して言ってみることはありました。

 そのうち、これはちょっと面白そうだゾ、と思い始めたので、 5月初めに白水社の 『CDエクスプレス フランス語』というテキスト(『ニューエクスプレスプラス フランス語』の旧版)を購入し、少し本腰を入れることにしました。 この本を選んだのは、以前、香港へ行くことになった際、同じシリーズの広東語を使って勉強し、 使いやすかったからです。

 実際、この本はわたしに合っていたと思います。 全部で20章という分量もちょうどよかったし、 CDを聞いて真似てみるという会話面、 テキストの解説を読んで文の成り立ちを理解するという文法面がバランス良く、 すいすい学習がはかどりました。 それで、学習を始めて一週間後、ゴールデンウィークが終わる頃に、仏検というものがあることを知り、 それじゃあダメ元で受けてみようか、という気分になったのです。 仏検のホームページに掲載されていた過去問題が、 なんとなく解けそうに思えたことも、その一因です。

 もちろん、フランス語を勉強しはじめてからまだ1週間でしたから、 そのときはまだ正解するには至りませんでした。 でも、問題文の意味が分かるものもあり、検定日までには何とかなりそうな気がしました。6月の検定日までまだひと月以上もあるんですもの! 勉強をはじめてまだ1週間のクセに、やけにフランス語をやったような気がしていたわたしにとって、1ヶ月という期間は、すごく余裕があるように感じられたのです。

 実際、仏検5級に関しては、申し込んでから勉強を始めても、充分間に合うと思います。申し込み締切日から検定日まで1ヶ月以上ありますし、毎日1時間、週末2時間勉強すれば「学習50時間以上」という仏検5級の目安もクリアできます。

 しかも全ての問題が選択式で、選択肢は2つから、多くても4つなので、運に手伝ってもらうこともできます。 合格率は90%近く、「選別のための試験」というよりは、「合格して自信をつけてもらうための試験」 という気がします。

試験対策

 さて、わたしは仏検受検を決めてからも、そのとき取り組んでいたCDエクスプレスで学習を続けました。 CDエクスプレスが扱う文法の範囲は4級・3級でも通用するレベルでしたから、5級合格を目標とするならば無駄があるのですが、 わたしには「一つのテキストを終えるまで、別のテキストは買わない」というポリシーがあるので、そうしたのです。文法には神経質にならず、会話文が暗記できたらその課は終わり、と決めて学習をすすめました。 だいたい一日2時間くらい、それに費やしたでしょうか。

 ただ、私が使っていたCDエクスプレスはもともと仏検受験用に作られているわけではないので、 練習量はどうしても足りません。そこでネットで公開されている練習問題を使い、5級の範囲の文法や単語を繰り返し練習しました。 毎日1時間くらいやっていたと思います。 以下は、お世話になったサイトです。

 ここに掲載したサイトはどこも非常に秀逸です。おそらく他に何のテキストや問題集もやらなかったとしても、 これらのサイトでしっかり学習すれば、仏検5級は軽くクリアできると思います。 実際、娘は学校で習う文法の範囲が、6月の段階ではまだ仏検5級の範囲を網羅していなかったので、 Chez nousで学習し、5級受検に備えました。

 さて、わたしのほうはといえば、CDエクスプレスを終えたあと、 仏検用の問題集を一冊買い、最後の仕上げをしました。 仏検対策5級問題集 という問題集です。仏検5級対策用の問題集は他にもいくつかありますが、CDがついているものの中で、 わたしが知る中ではこれが一番安かったので、これに決めました(笑)。これを、最初から最後まで、3回やって、試験に臨みました。 頑張れば一日で終わる程度の問題量だったので、繰り返しできたのは、よかったと思います。 娘も、一度は通しでやっていたように思います。

当日の様子

 当日の試験会場は慶応大学日吉キャンパスでした。 受検者の主流は大学生でしたが、 英検のように、学生オンリーという感じでもなく、 小学生からシルバーエイジまで、学生以外の人もけっこういました。 男女比では、女性が7~8割くらいであったように思います。 でも、初老の男性やサラリーマン風の男性もいました。 子供を連れた主婦も見かけました。 年齢、性差に関係なく、これがフランス語をやろうと思う人の集まりなんだと思ったら、 とても親近感が沸きました。

 仏検の良いところは、試験が終わってすぐに模範解答が配られることです。 問題用紙は持ち帰って良いので、解答用紙に書き込んだ答を問題用紙の隅に書き込んでおけば、 自己採点でもとれた点数が正確に分かります。 5級の場合、問題数は50問で、一問につき一律2点の配点です。 ボーダーラインは6割程度で、年によって多少変動するようですが、 7割以上取れていればまず大丈夫でしょう。

 わたしの成績は96点、娘は92点でした。 家に帰ってきて、もしかして4級でも通ったのではないかと思い、過去問(筆記のみ)をやってみたら、 9割とれました。4級にしておけばよかったと、ちょっと悔しくなりました。 よく考えてみると、5月の初めから6月の中旬まで、一日平均2~3時間は勉強していましたから、 学習時間からしても、100時間が目安の4級でちょうどよかったのかもしれません。 でもこれは後知恵ですから、しょうがないですね。申し込みは1ヶ月以上前には締め切られ、そのときの実力は限りなくゼロに近かったのですから。

まとめ

 これから仏検の5級を受けようと思う方は、どの程度フランス語を真面目にやろうか、まだ決めていらっしゃらないことも多いと思います。実はわたしもそうでした。更に上を目指そうと決めたのは、5級に受かってから。だから問題集一冊にもお金をケチったのです。

 でも、今から思うと、それは正しかったように思います。5級程度でテキストをあれこれ買い込んでは勿体無い。5級受験には、テキスト1冊、仏検用問題集1冊やれば充分だと思います。

 フランス語入門のテキストは驚くほど種類が出ていて目移りしますが、 もし今テキストを何かお持ちなら、 まずは今あるテキストをきっちり終えることをお勧めします。ご自身が気に入ってヤル気になるテキストであれば、何でも良いと思います。

 もしまだテキストをお持ちでないならば、 まずは、上記に記したサイトを覗いてみることをお勧めします。

 ちゃんとした文法書などを購入するのは、5級をとったあと、 フランス語をまだ続けようという気持ちが確認できてからでも遅くはないように思います。

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