ボスニア・セルビア・クロアチア語

ラマダーン明けのレッスン

 断食月が空け、正則アラビア語を話すボスニア・ヘルツェゴビナの先生がDMMに戻ってきました。

 久々にアラビア語を喋りました。10日ぶりくらいかも。

 ラマダーン中、イスラム勢のレッスン開講は少なめ。前回この先生と話したのも、二週間も前でした。

 「最近レッスン開かないけど、断食が辛いの?」とそのとき尋ねたのですが、その答えは意外でした。

ぜーんぜん! だって昼間は寝て過ごしてるもん

えっ・・・そうなんだ。じゃあどうしてレッスンを開講しないの?

だって日中は寝てるからレッスン開けないし、夜は食べるのに夢中だからレッスン開くヒマないし

 ・・・おい・・・。

 アッラーは若者にそんな過ごし方をさせるために断食月を作ったんじゃないと思うよ・・・( ̄▽ ̄;)

 ちなみに、「ラマダーンってどう?」と尋ねると、

楽しい! めっちゃ楽しい!

と満面の笑。顔の色艶もよく、いつになく明る~いご様子でした。


 さて、今回のレッスンは断食月明け(عِيد الفِطْرِ(イード・ル・フィトル))だったので、まずはこの時期特有の挨拶をしました。

كُلُّ عامٍ وأَنْتُمْ بِخَيْرٍ
(一年中、あなた方が元気で過ごされますように)

 すると先生から、こんな挨拶が返ってきました。

شُكْرًا وَأَنْتِ بخَيْرٍ وَصِحَّةٍ وَسَلَامَةٍ
(ありがとう。貴女こそ、元気で健やか、平安に過ごされますように)

 おお、こんな返礼があるのか! 知らなかった~! この返礼を知っただけでも、今回のレッスンを意義があったというものです。

 さらに、面白い話が聞けました。

 ボスニア語でイード・ル・フィトルは

Ramazanski Bajram
(ラマザンスキー バイラム)

と言うんですと!

 ボスニアはかつてオスマン帝国の支配下にあったので、トルコ語の影響を受けている。トルコ語でラマダーン明けの祭りはRamazan Bayramı。細かいスペルの違いは正書法の違い。しかしそこにいきなりskiって・・・。そこだけスラブ風味なところに惚れました。

 じゃあ 犠牲祭(عِيد الأَضْحَى(イード・ル・アドハ))は?とドキドキしながら聞いたら、

Kurbanski Bajram
(クルバンスキー バイラム)

ですと!

 これまた期待を裏切らない♪ トルコ語のKurban Bayramıskiがついているわけです。

 「ひょっとして、skiがつくと形容詞になるの?」と尋ねたら、そうだとのこと。ははあそうかあ、チャイコフスキーとか、イワノフスキーとか、ロシアや東欧の名前にやたらスキーがついていると思ったら、あれは元は形容詞化だったのね~。

 ちなみに。

Kurbanって、元はトルコ語だと思うでしょ? 違うんだ。これはアラビア語( قُرْبَان )で、コーランにも神への捧げ物という意味で出てくるんだよ。捧げものをすることによって、アッラーに近づく( قَرُبَ )という意味があるんだよ

へええ~! 知らなかった!

この単語はね、アラブ人も知らないんだ。クルアーンにもちゃんと出てくるのに! トルコ人やボスニャック人(ボスニア人のこと)が普通に使っているのに、当のアラブ人は知らないんだよ

 ・・・さもありなん。だいたいアラビア語、「犠牲、生贄」っていう意味の単語、多すぎだから。こんなに同義語・類義語があるんじゃあ、淘汰される単語が出てくるのも致し方ないでしょう。


 いやー、ほんと楽しかった! 他にも、断食明けイードの過ごし方などいろいろ聞き、充実の25分でした。

 この先生とだと、気楽~に楽しくアラビア語が喋れる。

 何より、聞き取りがラクです。先生もネイティブじゃないから、話すスピードは速くなく、意識的にはっきり発音するし、使用ボキャも限られているので、隅から隅まで聞き取れる。

 英語も、非ネイティブの英語のほうが聞き取りやすいけれど、アラビア語もそうですね。

 25分のうちで、英語を使ったのは二度だけ。「退職者( مُتَقَاعِد )」という単語が出てこなかったときと、最後に“Have a nice day”ってアラビア語で何ていうんだろうね、って言ってたとき。

 あとで調べたら、 طَابَ يَوْمُكَِ って言うんですね。完了形で言うところが面白い^^。別れ際だけでなく、出会い頭にも使えるようです。

ラマダーン中の教室の飾りつけ(アラブ・イスラーム学院にて)
これ、去年のラマダーンです。一年が経つのは早いなあ・・・。

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