ドイツ語

ドイツ語で喋ってみた

 スイスへ行ってきました。主な行き先は、マッターホルン観光の拠点となるツェルマット。チューリッヒから入り、ベルンとリヒテンシュタインにも立ち寄りました。全てドイツ語圏です。

旅行前の準備

 スイスでドイツ語が話せなくても困ることはほぼないと聞いていました。でもドイツ語は独検2級まで取った既習言語。ドイツ語で会話した経験はほとんどなく、読んだり書いたりもここ10年ほとんどありませんでしたが、使える場があればいいなと思い、復習していきました。ちなみに、スイスではスイスドイツ語が使われているそうですが、いままで学んできたいわゆる高地ドイツ語(日本でよく学ばれているドイツ語)を復習しました。

 旅行の手配から出発日までは約3か月。その間、ドイツ語に関して具体的にやったのは以下の三つです。

  • Duolingo
  • 入門書の読み直し
  • ドイツ語会話

Duolingo

 いつもなら旅行前は語学アプリを大いに活用するのですが、今回はあまり使えませんでした。五十肩の痛みがひどかったからです。五十肩って、肩だけでなく、腕全体が激しく痛み、手を使いすぎると悪化する。そこで語学アプリはDuolingoだけに絞り、もっぱらタイピングの要らないストーリーズをやっていました。180以上あるストーリーズを旅行前に終わらせることができたのは、とりあえず良かったです。

 しかしスイスから帰ってきて最近気づいたことには、通常レッスンも、音声入力を利用すればタイプせずに済むんですね。なーんだ。

入門書の読み直し

 肩が痛くて。読書にもあまり集中できなかったのですが、独検2級受検の際に利用した入門書などをとりあえず10冊くらい読み返しました。

 面白かったのは、各課のスキットが続き物になっているもの。続きが気になるのでどんどん読み進められました(もうすっかり内容を忘れていた(;^_^A)。特に面白かったのは以下のあたりです。

ドイツ語会話

 寝ている間ですら痛い五十肩。でもDMM英会話のレッスンの25分間だけは外国語で話すことに夢中になり、気が紛れました。

 ドイツ語に関しては5人の先生にお世話になりました。特にそのうち3人の先生には旅行前それぞれ10回ほどお世話になりました。国籍がドイツ、スイス、ボスニア・ヘルツェゴビナの先生です。

 ドイツ、スイスの先生はドイツ語ネイティブですが、お二人ともインターナショナルな出自。英語や他の言語のほうがドイツ語よりも堪能なようで、話すスピードが速くないので、聞き取りが楽で有難かったです。特に教材などは使わず、いつもフリートークをお願いしていました。現在はお二人ともアジアにお住まい。アジアとヨーロッパの違いなどを伺えたりして、大変興味深いです。

 一方ボスニア・ヘルツェゴビナの先生はドイツ語を外国語として学んだ方で、学習進度を意識したレッスンをしてくださいました。きれいなドイツ語をゆっくり話し、基本単語を駆使して様々な文章を組み立ててくださるので、ものすごく勉強になりました。本当はもっともっとこの先生のレッスンが取りたかったのですが、人気が高すぎ、一瞬で予約が埋まってしまうので、3か月間で10回取るのがやっと。帰国後の報告もいまだにできていません。

旅行中に使ったドイツ語

 スイスには9日間滞在しましたが、ドイツ語を使う機会は正直、あまりありませんでした。昨年のギリシャではお店やレストランなどでギリシャ語を使ったのですが、今回はスイスの物価に恐れをなし、レストランには一度も行かなかったし、買い物もスーパー以外ほとんどしなかったからです。

一番使ったフレーズ

 唯一、鉄道の切符だけは駅の窓口でドイツ語で買いました。

 今回のスイス旅行で一番使ったフレーズ、それはハロー(こんにちは)とダンケ(ありがとう)といった挨拶を除くと、これでした:

  • Wir haben Half Fare Card.
    (私たちはハーフフェアカードを持っています)

 Half Fare Cardというのは、スイスの国鉄で使える外国人向けの半額割引券のことです。これを持っていると、国鉄だけでなく、ロープウェイやケーブルカー、バスなど、スイスの切符のほとんどが半額で買えるのです。

 但しこのカード自体が高額。一人120フラン(約2万円)出して購入したものです。大枚はたいて購入したのですから、乗り物の切符を購入するときは、決して忘れることなく、このカードを持っていることを伝えなくてはなりません。スイスの運賃は高いですから、これを忘れると大損害。数万円くらい軽く損をしてしまいます。一度、バスの運転手さんにバス代を支払ったとき言い忘れ、正規の値段を支払ってしまいました。運賃が数百円だったのがせめてもの救いです。

 とまれ、一番使ったのがこのフレーズだったというのは、列車の旅で有名なスイスらしい話ではありませんか。

 ちなみに切符はネットでも購入できるし、券売機でも購入できますが、ドイツ語を使う数少ないチャンスなので、なるべく窓口で買うようにしていました。11回の切符購入のうち8回は窓口でした。

 一番緊張したのは、スイスに到着してすぐハーフフェアパスと乗車券を同時に購入したとき。パスの購入が先に処理され、乗車券の購入に半額がちゃんと適用されるよう、必要事項と請求されるはずの金額をあらかじめ紙に書いて見せました。

一番役立ったドイツ語

 ろくに会話はしませんでしたが、でもドイツ語が全然役に立たなかったかというと、そんなことはありませんでした。

 一番ドイツ語が役に立ったのは、やはりこれも鉄道や駅です。ドイツ語で書いてある案内板が読めたおかげで移動がスムーズでした。よく見るとドイツ語の下に小さく英語でも書いてあったりするのですが、遠くからまず目に入ってくるのは大きく書いてあるドイツ語。わたしが「こっちだ」と確信を持って進むと、夫が「どうしてそっちだと思うの?」と訊き、「だってあそこに書いてあるじゃない」とよく答えたものです。夫は、もしここでわたしとはぐれたら、自力で日本に帰れないかも、と思ったこともあったそうです。さすがにそれは大げさだと思いますが、その国の言語を全く知らないと、それだけ心細いんだな、と思いました。

 駅の案内表示の種類などたかが知れていて、たとえばAufgang(出口)とかGleis〇(〇番線)など、駅にありがちな単語だけでも知っているとだいぶ違うのではないかと思いました。足を止めなくても何がどこにあるかすぐにわかって便利だし、なにより「全く未知の言語」という抵抗感がないのが大きい。実際の利用価値よりも、むしろ精神面の安心が大きいかもしれません。

一番長かった会話

 一度だけドイツ語でまとまった会話を交わしました。4人乗りのゴンドラに乗り合わせた同世代のご夫婦(たぶん)がドイツ語で話をしていたので、思い切ってドイツ語で話しかけてみたのです。

 会話の内容はこんな感じ:

Woher kommen Sie?
(どこからいらしたのですか?)

Wir sind Schweizer und wohnen in Bern.
(わたしたちはスイス人で、ベルンに住んでいます)

Oh, wirklich? Morgen fahren wir nach Bern.
(まあ、本当に? わたしたちは明日ベルンへ行くんですよ)

Schön! Mit Zug?
(いいですね。電車でですか?)

Ja, mit SBB. Bern ist eine wunderschöne Stadt, nicht wahr?
(はい、国鉄で。ベルンは美しい街ですよね?)

Ja, richtig. Dann wohin fahren Sie danach? Nach Luzern?
(ええ、その通りよ。ベルンのあとはどこへ? ルツェルン?)

Nein, wir müssen leider nach Zürich zurückfahren. Da ist der Flughafen.
(いいえ、残念ながら空港のあるチューリッヒへ帰らなくてはなりません)

In welchem Land leben Sie?
(お国はどちらですか?)

Wir kommen aus Japan.
(日本から来ました)

Sind Sie zum ersten Mal in der Schweiz?
(スイスにいらしたのは初めてですか?)

Ja, das ist unser ersten Mal.
(はい、これが初めてです)

Waren Sie einmal in Deutschland?
(ドイツへ行かれたことは?)

Wir waren einmal in München. Aber vor 25 Jahren.
(一度ミュンヘンへ行ったことがあります。でも25年前の話です)

Wo haben Sie Deutsch gelernt? In der Schule?
(どこでドイツ語を学ばれたのですか? 学校ですか?)

Ehhh, ich lernte Deutsch zu Hause mit Büchern.
(えーと、家で本を使って学んでいました)

 ・・・まるで入門書のスキットのような会話じゃないですか?

 ドイツ語で話しかけるとき、一番不安だったのは、相手の質問が分からなかったらどうしよう?ということでしたが、その心配は杞憂でした。考えてみれば、見るからにたどたどしいドイツ語を話すわたしに向かって、難しい質問を投げかけてくるはずがないですよね。日本人だって外国人にたどたどしい日本語で話しかけられたら、できるだけ分かりやすい日本語で返答しようと心掛けるのではないでしょうか。先方はスイス人とのことでしたが、NHKの語学講座に出てくるようなドイツ語で話してくれました。

 またわたしも、自分が知っている範囲で、割とちゃんとしたドイツ語で返せたのではと思います。多少変なところもあるかもしれませんが、これくらい話せればわたし的には満足^^。特に最後のBücher(本)。不規則な「Buch」の複数がさらっと言えたのにはビックリしました。しかもあとで会話を反芻したとき「あ、間違えた。mitをつけるんならmit Büchernのはず」と気づいたことにまたビックリ。辞書に書かれた名詞ごとに異なる複数形や格変化を見ると、ゼーーッタイ覚えられない気がしますが、読んだり聞いたりしているうちに、いつの間にか刷り込まれていくものなのでしょうか。「3格のときは~」などと思わずに、前置詞を付けた形でそのまま覚えてしまったほうがいいのかもね。

旅行を終えて

 今回のスイス旅行は、これまでの旅行と比べても、特に思い出深い旅になりました。とにかく楽しかった。

 けれどもドイツ語に関しては反省や後悔があります。既習言語の割には、旅先であまりドイツ語を話さなかったこと。そもそも準備期間が3か月もあった割にはあまりドイツ語に触れられなかったのも残念でした。

 中でも一番後悔しているのは、ツェルマットで借りたアパートのオーナーさんへのお礼をドイツ語で書かなかったこと。ほら、よく宿に、泊った人が寄せ書きする雑記帳?思い出ノート?みたいなのがあるじゃないですか。あれを英語で書いてしまった。

 たぶんその時は、フランス語やドイツ語のメッセージが多いからじゃあわたしは英語で、みたいなバランスを考えたんじゃないかと思いますが、そんなバランスどうでもいい。せっかくドイツ語を使うチャンスを逃した自分、馬鹿じゃないの?

 まあ英語でもオーナーさんは喜んでくれて、お礼のメッセージが届いたので、それがせめてもの救いです。

タイトルとURLをコピーしました